電解コンデンサとリレーが続けて故障
現在のデスクトップオーディオとして、テクニクスのセパレートアンプ SU-C01/SE-C01 を利用している。デジタルレベルメーターを搭載しており(学生時代はレベルメーターやスペアナにあこがれたものです)、デスク上に設置できるコンパクトなサイズ(特に奥行き)、何よりも40年以上前の製品とは思えない秀逸なデザインにほれぼれして、1年ちょっと前にヤフオクで手に入れたものだ。セットで約17,000円だった。現在でもヤフオクでは、同型機が出回っては落札されていることから、この製品に対する一定程度の人気があると思われる。おそらく、私と同年代のテクニクスファンがいるんだと思う。中学、高校とテクニクスブランドの存在は知っていたのだが、とても高くて購入できるような製品ではなかった。各メーカーのカタログを眺めてはいつか手に入れることを夢見ていた。それがいま、中古とはなるがリーズナブルに手に入れることができるようになってきている。50代のおっさん達にとって、過去の名機を安く手に入れるのが趣味であったり喜びであったりする(のではと勝手に思っている)。
私が購入したものはパワーアンプ部の天板メッシュ部分に多少のさびや、プリ・パワーともに外装にキズがあるのだが、黄ばみ・汚れなどは無くて比較的きれいな商品だったかなと思っている。クリーニングするとフロントパネルはきれいになり、そのデザイン性からも古さを全く感じることがない。1979年の発売なので、80年代、90年代へと続く日本のオーディオメーカーの全盛時代の製品でもあり、アルミダイキャスト一体成型でのエンクロージャー構成やアルミ削り出しのノブなど高級感満載だ。予備としてもう1セット確保しておきたいぐらい、今は惚れ込んでいる。




当然、40年前の製品なのでデジタルインタフェースは実装しておらず、PCとのUSB接続はできない。もちろん、アナログでの接続はできる。今回は、アマゾンで販売されているUSB/RCA変換ケーブルを使って、2台のPCをそれぞれAUXとTUNER入力に接続して利用している。この変換ケーブルのUSBコネクタ部にDACが内蔵されているようなのだが、安かろう悪かろうではなく、それなりにいい音を鳴らしてくれているので個人的には十分満足している。

突然の無音化・・・電解コンデンサが膨れ上がっていた
購入直後から、セレクタ切り替え時に片チャンネルから音が出ないとかたまに不具合は発生はしていたのだが(再度切り替えることで問題なく音は出るようになる。内部スイッチが汚れていると推測)、利用上ストレスとなるようなことはなかった。だが、今年の2月に、突然音が出なくなってしまった。電源オン、レベルメーターの点灯までは問題ない。急遽、今まで使っていたオンキョーのCR-D1を引っ張り出してきて、プリアンプの出力をCR-D1のLINE入力へ接続し出力を確認すると問題ない。パワーアンプが完全に逝ってしまったようだ。
とりあえずパワーアンプの底板を外し内部を確認すると(本機は天板ではなく底板から分解する)、電解コンデンサが膨れ上がって外装?もはがれてしまっている。非常に危険な状態、ギリギリで動作していたようだ。このコンデンサ不良が原因だと思われるため、代替品を急ぎ通販で購入。秋葉原へ行って購入してもよかったのだが、往復の交通費などの手間を考えると送料を含めても通販のほうがリーズナブルだった。すぐに修理できないのは残念だが、注文して翌週末にゆっくり修理することとした。








復活したと思っていたのだが、またしても無音化・・・リレーの故障
電解コンデンサ交換後、快適に動作していたのだが1か月も経たないぐらいで今度はパワーアンプが全く動作しなくなってしまった。電源インディケータのLEDは点灯しているため、一部の回路は動作していると思われるのだが、通常は電源スイッチをオンにした後、約8秒後ぐらいにパチンと聞こえるリレーの接点切り替えの音が聞こえない。何度か電源オフ/オンを繰り返すと、たまにリレーが動作するのだがすぐにオフになって、だんまり状態になってしまう。今度は、リレーが逝ってしまったようだ。
リレーの代替品を探すのにも一苦労だった。何しろ40数年前の製品のため同一の型番の部品が見つけられない。同等品を見つけたと思っても海外からの発送で送料が高く、これだったら別の本体の中古品を買ったほうがいいかもと思えるほどコストがかかってしまう。最終的には、基板に直接実装するボードタイプではなくプラグインタイプを購入し、端子をニッパーでカットするという荒業で復旧させた。















復活できたのだが
電解コンデンサ、リレーと立て続けに故障が発生した。何とかDIYレベルで対応できる範囲だからよかったものの、次回、別の故障が発生してしまったら復旧できないかもしれない。いっそのこと、バックアップ機を購入したほうが良いのではと思うところもあり、今でも中古品の物色を続ける日々。候補の製品を見つけても、本当に必要なのか自問しつつ購入に踏み切れない状態が継続している。この機体に末永く頑張ってほしいものだ。
続きがありまして・・・
このシリーズにはスピーカーもあって、SB-F1/F2/F3の3タイプがある。F1が最もコンパクトでF2、F3と順に大型になっていく。またカラーもシルバーとブラックがあるようだ。デスクトップオーディオを形成する上で、SB-F1はちょうどよいサイズ感であり、同じシリーズで揃えたくなってしまう。オークションやフリマサイトをしばらく物色しているうちに、程度のよさそうなSB-F1を発見し、購入。本体購入後割と早いタイミングでスピーカーも手に入れることができたのは運がよかった。目立つようなキズや黄ばみなどの汚れもなく、本当に状態の良いものを手に入れることができた。
そんなわけで、ついに「夢の⁉」デスクトップオーディオが完成した次第だ。このスピーカーもアンプと同じようにアルミダイキャスト成型で小型ながら重量感のあるものだった。アンプもスピーカーも40年以上も前のものなので多少のキズや汚れはあるのだが、逆に40年前の製品なの?と思えるほど見た目の状態もよさそうな機体で揃えることができたので満足している。

今や、日本製のオーディオ機器は壊滅状態であり、テクニクスもアンプ、スピーカーなど復活させているが、以前のようにメインストリームを歩むようなプロダクトにはなりそうもない。ソニー、オンキョー、パイオニア、サンスイ、ケンウッド、ビクター、その他にも多数のメーカーが幅430mmの単品コンポーネントを豊富にラインナップしていた頃が大変懐かしい。大学生の時はミニコンポではなく単品でステレオを揃えるのがオーディオ通だと思い込んでアルバイトに励み、オーディオ沼にはまっていたものだ。大学時代に購入したのはテクニクスではなかったが・・・。
これからも、この分野にはあの時のようなときめきや活況はやってこないんだろうと思うと少し寂しくなりますね。大事に使い続けたい。