長男の学習机シリーズ第2弾 ブックスタンド(2014年9月)

長男の学習机シリーズ第2弾 ブックスタンド(2014年9月)

シンプルなブックスタンドになりました

学習机の上に設置するブックスタンドを製作した。

基本構想

 長女の時は異なるデザインのブックスタンドを考えてはみるものの、なかなかいいデザインが思いつかず、今回は引き出しもないシンプルなものとした。

  • デスクに向かって正面、左右のどちらにも設置できるサイズとする=幅はデスクの奥行以下となる
  • 高さがありすぎると安定性に欠けることと、圧迫感も強くなるため二段程度の構成とする。下段はCDケースを立てられるほどの高さを確保する
  • そびえ立つような感じではなく、少しは優しい雰囲気を出せるようにする。

うまく表現できないので、実際に製作過程で説明する。

設計

 先ほどの要件に従って、いつものようにMS Visioを利用して詳細設計を行う。製作するものが小さくてシンプルなものになりそうなので、設計図面自体はあまり凝ったものにはなっていない。ただ、個々に行き着くまでに、あーでもない、こーでもないとかなりの枚数の図面を描いてしまい、設計確定までに時間がかかってしまった。こんなに設計に時間かけていては、独立工房としてはやっていけない。木工家として独立されている皆様は本当に素晴らしいと思う。

材料の調達

 いつも目に付く部分でもあるし、それほど木材も多用することもなく低コストに抑えられそうなため、すべてタモの無垢材を利用した。今回も材料はマルトクショップ様のネット通販を利用して購入した。

木材のカット

 写真とともに工程を簡単にまとめた。

ブックスタンドのフロント側部品のカット。過去に製作した残りの板を使って、鋸を挟み込み、まっすぐにカットする。斜めにカットする部分の墨線は、利用する木材を仮配置して事前に引いておく。
左右、まったく同じ形状にするために、前の写真でカットした板を使って鋸を固定し、残りの1つの部品もカットする。こうすることで、同じサイズ、形状の部品を複数個(今回は2個)加工できる。
同じように、フロント側の下側部分の部品もカットする。1枚カットした後にその板も活用して鋸を固定し、カットを続ける。
その他の部分も、一枚目をカットしたら、、、、
ぴったり重ね合わせて、鋸でのカット位置を合わせて、カットしていく。

スタンド前側の組み立て

 複雑な組み合わせ加工技術を持っていないため、木ネジを利用して組み付ける。もちろん、ネジは見えないようにするし、少しはデザイン的な配慮も行う。

木ネジで固定する前に背面側が上下、左右ぴったり合うようにワークベンチの直線部分を使って面をそろえる。底面はスコヤを使ってフラットになるように調整する。位置決めができたら、木工用ボンドを使っていったん固定する。
木ネジで固定する部分を10mm径の穴をあける。板の厚みがないため、左右から同じ厚さの板で挟み込み、加工時にドリルガイドが安定するように工夫する。
それぞれ3か所、穴をあけているが、実際にネジで固定しているのは2か所だけ。かすかにシルバーのねじ頭が右側2か所に見える。3か所にネジを使おうとすると、木材の幅を考慮したときに適切な位置にネジが固定できなくなる。2より3のほうが見た目もバランスが良いかもと思って、丸棒で整形する部分を追加した。
ルーターで相欠加工をする前に、負荷を減らすためにドリルで大まかに加工する。これでドリルビットの「キィーン」という甲高い騒音を少しでも軽減できる。
同じものはバラバラで加工するのではなくセットで加工したほうがズレ、ブレがなく加工できるため、2枚重ねて加工する。
ビットを通過させた後に木材の欠けを防ぐために捨て板をあてておく。
写真の下側部分(背面になるところ)の相欠加工が完了。フロント部分は、黒檀とマホガニーの丸棒を組み合わせて整形。
背面の上下の板も相欠加工が完了。ちなみに、奥に置いてある少し太い部材はブックスタンドとは全く関係のない木材である。

スタンド本体部分の組み立て

 直角や水平がどれだけ確保できているかが仕上がりに影響するため、慎重に組み立てを行う。

平らな机の上で、木工用ボンドで仮組する。上下とも直角が確保できているかを大きめの直角三角定規を使って位置合わせしながら、クランプで固定する。
少し斜め側から見たところ。ある部分は締め付けて、ある部分は開きながら、クランプで固定する。この状態で一晩程度寝かす。
組み立て完了。ただし、まだ背面側は木工用ボンドで固定しているだけの状態。
上下それぞれ木ネジを使って固定する。ネジが見えないように10mm径の丸棒を使って表面を整える(フロント側と同じ加工方法)
角を240番のサンドペーパーで整える。最終仕上げは400番のサンドペーパーで。

塗装

 オスモカラーで塗装する。最近はもっぱらこればかり。

学習机と合わせてノーマルクリアーで塗装。ブックスタンドの仕切り板の一部はウォルナットカラーで塗装。
ノーマルクリアーとウォルナットの塗装の違い。ウォルナットは重ね塗りするほど、本物に近い濃いめのウォルナット色に近づくのだが、少しさぼってしまい、重ね塗りは無しに。

組み立て用の鬼目ナット取り付け

 今回の設計では、棚板は可動ではなく位置固定になっている。しかも棚板を取り外してもブックスタンドを分解してコンパクトにできるわけでもない。そのため、ジョイントコネクターを使用しなくても良かった。だが、使い込んでいくうちにもしかしたら「引き出しをつけたい」とか、「棚板の奥行を変えたい」のような変更要求が発生するかもしれないという、ほぼ想定しておかなくてもよさそうな事態のために、棚板は取り外し可能な構成とした。

棚板の左右1か所ずつ、背面側2か所に鬼目ナットを埋め込んでいる。ブックスタンドとはジョイントコネクターを使って固定する。やはり、無垢板の木目模様は美しい。

棚板を取り付けて完成!

 ジョイントコネクターで棚板を取り付ければブックスタンドの完成。

上下2段で利用できるブックスタンドが完成。
仕切り板はただはめているだけで簡単に外れるし、動かすことができる。でも、構造上、倒れることもなく安定して利用できる。
仕切り板の裏側。丸く見えているのはネジ穴を丸棒で整形した後。

机上に設置してみる

 机の上に設置してみた。正面側においてもよし、横においてもよしで、シンプルなブックスタンドに仕上がっている。フロント側を斜めに加工するところを上手くできるかと少し心配していたが、接合部分もきれいに表面を合わせることができている。斜めにしているおかげで圧迫感もなくていい出来栄えだ!

 デスクの横に設置する場合、左右どちらでも置けると考えていたが、完成後に設置してみると、左側にはスタンドライトが取り付けてあり、事実上、設置は右側に制限されそう。

正面側に設置した様子。
右側に設置した様子。

いくらかかったのか。費用のまとめ

 今回の製作費用をまとめた。木ネジや丸棒、ジョイントコネクター、塗料などの消耗品的なものは含めていない。

材料用途数量価格(合計)購入方法コメント
タモ無垢板背面12,240マルトクショップ20*180*600mm。さすがに幅広の無垢板は高い
タモ無垢板棚板12,090マルトクショップ20*180*560mm。さすがに幅広の無垢板は高い
タモ無垢板フレーム部分(本体)、仕切り板の後ろ側23,060マルトクショップ20*70*1210mm(1530円)を2枚。カットして利用
タモ無垢板仕切り板2720マルトクショップ20*120*160mm(360円)を2枚
合計8,110

 決して安くはないと思うが、無垢板の少し凝った?作りのブックスタンドが約8000円で購入できたと思えば、少しは納得かな。有名メーカーのブックスタンドは同じようなサイズ感のものでも26000円とかするし。次回も頑張ろう。

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