デスク横の大型シェルフの製作(2025年5月)

デスク横の大型シェルフの製作(2025年5月)

ままごと冷蔵庫、今までありがとう

デスクシェルフとセットで設計を進めていた大型のシェルフがようやく完成した。デスクシェルフと同様、5月連休中には完成させる予定だったのだが、そうは簡単には進まず5月末になってようやく完成。デスクシェルフがほぼ形になってからこのシェルフの製作を始めたのだが、デスクシェルフが途中でマイナーチェンジを繰り返しているうちに、先に追い越して完成となった。

(1)の右側の棚一式を無くすとともに、(2)の赤枠位置をフルに使うシェルフを製作する。エアコン横も収納エリアとして活用する。ままごと用の冷蔵庫はこの場所から居なくなってしまう。
ままごと用の冷蔵庫は別の場所へ移動して第3の人生を歩み始めた。この場所で収納棚として活用している。右側の棚と高さを合わせるために、下段の引き出しを1段分カット・加工している。ここでも、いい雰囲気を醸し出している。

設計

寝室の西側一面をワークスペースとして利用してるのだが、この一面を最大限活用するために設計にあたっては以下の点を考慮した。

  • エアコン横のスペースも対象に、床から天井まで目いっぱい使って収納スペースを確保する
  • 動かすことができないエアコンや窓、北側天井部分の張り出し部分など位置関係正確に把握して、干渉しないような設計する(この場所でのみ利用することを織り込む)
  • その他の場所では利用しないとはいえ、壁や天井にボルト、ネジ等で固定するところまではやりたくないので、そこまで対処しなくても安定するような構造とする
  • シェルフを設置したことにより、圧迫感をあまり感じないような構造とする
  • 引き出しは、余っている木材も有効活用して、できる限り低コストで製作する

4月に設計を始めたのだが、5月の連休に作業できるようにするためには、4月中旬にはネット注文を入れないと部材が5月連休に間に合わない。いつものようにのんびり設計する時間的余裕がなかったことも設計完成を早めた要因だったりする。4月13日には注文を済ませることができ、4月23日に配送完了。5月連休に間に合った。

ただ、部材を発注した後になって、プリンタを設置できるぐらいの奥行きがあるといいんじゃないかとか、それに伴って引き出しも大型化(奥行き拡大)できるよね、等の設計変更を行いたくなってしまう。幸いなことにゴム集成材が余っており、それを縦引きカットすれば、天板拡張、側板の下側部分拡大ができそうだ。引き出しも残りの部材で何とかなりそう。最終的に、以下のような設計となった。

収納する物のサイズを考慮して棚板の可動域や位置取りを決めていく。当初は下側も奥行き220mmのシンプルなシェルフだったのだが、余っている板を活用して奥行きを拡張するプランに変更。部材の発注後の変更となってしまった(一番左側の板が余っていたもの)。一番右側の370mmの側板のみ、隠し釘で壁に固定する。赤枠は、60mmと80mmの異なる長さでカットしなければならなかったところを、間違ってすべて60mmでカットしてしまった。板の余りもないため、やり直しができない・・・。(クリックで拡大)

シェルフ本体は一枚の板を使わずに幅80mmや60mmの板を張り合わせることで、側板に空間を作り圧迫感を減らしている。これは実際に作ってみると効果的で、側板の隙間から向こう側が見えるだけで、重たい感じにはならないので過去にもこのデザイン・工法でシェルフを製作している。

製作 - シェルフ本体

それでは製作開始。シェルフ本体は5月連休中にギリギリ完成できたのだが、棚板や引き出しの加工は翌週以降の週末を使って作業した。設置まで含めてすべての作業が終わったのは5月後半になってからだ。

まずは側板のフロント側から製作する。写真のように壁側方向から木ネジで固定すると、正面からは全く加工跡が見えない。枠内のように左右(本来は上下というべきか)それぞれ2か所を木ネジで固定する。家具類は左右同じ部材が必要となるため、同時にカット、接合を進めていくと失敗しても同じ失敗になるので修正がしやすい。
同様の手順で、側板の部材を写真の矢印のように壁側となる面から固定してシェルフ側板の形状に仕上げていく。部品が組み立てられた後に棚板の溝を掘るのは大変なので、接合前に加工は済ませておく。木ネジがぶつからないような考慮は必要。
慎重に作業してもどうしてもわずかな隙間が発生してしまう。マスキングテープで接合部分の隙間以外を保護した後、木工用パテで隙間を埋める。サンドペーパーで仕上げると隙間はほぼ目立たなくなる。

少し余談になるかもだが、家の壁はぴったり90度になっていないことがある。工業製品とは違って現場で手作業で作るため、1000mmにつき3mm以内程度の傾斜であれば許容となっているようだ。すなわち、床面から1メートル上の壁側のある点が、垂直方向から3mmずれている分には問題ないとされる。実際にシェルフの側板ができた後に、設置場所の壁に寄せてみると、上部のほうは数mmの隙間があった。「この場所でしか使わない」としているので、壁にぴったり寄り添うようにシェルフの下面を少しだけ斜めにカットした。

この写真ではイメージがわきにくいが、シェルフ側板の製作直後は白線のように90度になっている。この状態で予定の位置に設置すると、側板の上端側は壁と数mmの隙間ができていた=壁が垂直に立っていない。そこで、シェルフ側板を壁面にぴったりくっつけて(この状態でフロント側が浮く)、床面と平行になるような赤いラインでマーキングする。このラインに沿ってカットすることで、側板が床と壁にぴったりと接するようになる。写真右下の角の加工は巾木と干渉しないようにするためと、ケーブルを通すための穴も兼ねている。左右セットで同じように加工する。
棚受ダボを埋め込む位置をマーキングし、加工時にドリルがぶれないようにセンターポンチでくぼみをつけておく。マーキング位置をミスってしまうと大変なことになってしまうので、左右の側板を並べてマーキング位置が間違っていないことを入念にチェックする。その後、棚受ダボ埋め込み用に8mm径で深さ10mmの穴を加工する。
ハンマーで棚受ダボを表目から飛び出さないところまで埋め込む。パイン材などの柔らかい材だとダボ受けが緩んで外れることがあるため、できるだけ堅めの木材で使いたい部品。写真は完成後に撮影したもの。
2か所の棚板は固定式となるため、ジョイントコネクタのサイズに合わせて穴をあける。こちらは側板内側の様子。9.5mmのドリルで空けているのだが貫通はさせていない。
先ほどの側板を反転させた面(外側)。ひとつ前の写真での加工時に、ドリル先端が少しだけ飛び出すところで止めておくことで、この後、コネクタが外側に飛び出さないように加工するための目印にできる。
くぼみを活かしてジョイントコネクタの外径に合わせて、フォスナービットで加工する。深く掘りすぎないように注意。約1.5mm程度掘っている。
右側のコネクタのように、皿状の部分が表面から飛び出さない。
角面取り加工で全体を仕上げたのだが、接合部分はトリマービットで加工ができない。
のみで角部分を加工する。のみを滑らせてザクっと余計なところまでやらないように慎重に慎重に、、、。

写真にはないが、北側傾斜天井部分に取り付ける部材の加工も済ませて、一通りシェルフの側板部分が完成した。

製作 - 棚板

次に棚板の加工を行う。予備の材料がないため、失敗が許されない作業が続く。

2枚の板剥ぎによって奥行き340mmの棚板を作ったのだが、やはり微妙な隙間が気になってしまう。髪の毛1本もないぐらいの隙間なのでそのまま利用しても構わないのだが、せっかくなのでパテ埋めで目立たないようにしておく。
マスキングテープをはがした後。矢印が板剥ぎしたところのライン。ぱっと見、初めからこのような集成材のように見える!
棚板2枚は、ジョイントコネクタでシェルフ側板と固定するため、鬼目ナットを埋め込むためのマーキングとセンターポンチでのくぼみ付けを行う。黒いポチがくぼみ部分。ドリルスタンドが安定するように、同じ厚みの板で挟み込んで、板と接する面積を増やす。
ドリルスタントで深さ40mm程度の穴をあける。この後、鬼目ナットを埋め込む。
白矢印は、シェルフ側板と固定するジョイントコネクタ用の鬼目ナット。青矢印は、引き出しユニットを取り付けるための鬼目ナット。
完成後の写真からの流用になるが、可動式の棚板はコストカットのため、厚さ15mmのパイン材を利用している。柔らかい材のため、書籍の重さにより棚板中央部分が歪んでしまう恐れがある。そうなったときは棚板の表裏を入れ替えて利用することでひずみを強制的に修正できるのではと考えた。表裏入れ替え後にも棚板を安定して利用できるよう、メタルダボ受け用のくぼみをあらかじめ両面に加工しておいた。

製作 - 引き出しユニット

基本的には設計書通りにカット・組み立てていくのだが、板のゆがみやカット時のわずかなずれを吸収できるよう、取り付ける棚板も使いながら現物調整で作っていく。

棚板にぶら下げる形で引き出しを固定するため、実際にその棚板上で側板やスライドレールなども駆使して直角、水平を取りながら組み立てる。写真にはないがクランピングスコヤも使って直角を出している。
引き出し底板をはめる。底板は4mmのMDFボード。
スライドさせてみて動きを確認。まだこの時点ではスライドレールは置いているだけで側板には取り付けていない。
スライドレールがずれないように両面テープで仮止め後、ネジで固定する。棚板の奥側で3か所をジョイントコネクタで固定している板は、シェルフが左右方向に歪むのを防止するためのもの。
組みあがった引き出しユニットを棚板の下側にジョイントコネクタで取り付ける。写真はちょうど棚板/引き出しをひっくり返している状態。
こちらは正しい向き。矢印部分は木ネジでの前板固定後をあえて違う色の丸棒で埋めた。引き出しはありものの材料で作っているため、木材の色が統一されていない。これも味があるというべきなのか・・・。
引き出しがスムーズに出し入れできることを確認。引き出しの前板以外の部材は板剥ぎで作っているため、矢印のように木ネジ+丸棒で補強している。

組み立て、完成へ

それぞれの部品製作が完了したため、実際に設置場所へ運んで組み立てる。最上段に位置する2枚の棚板は右側の側板が床に届かない設計となっているため、水平器を使いながら棚板が水平になるように位置合わせを行う。

(1) シェルフ側板を壁やエアコンに立てかけた後、(2) 棚板を取り付ける。ここまでくると倒れることなく、安心して作業できる。
水平器を使って一番上側の棚板位置を調整
追い入れ接ぎの溝部分、上下2段を隠し釘で壁に固定する。壁に固定したのはこの部分のみ。
上側2段の棚板を取り付けて、固定棚板の設置が完成。上側2段の棚板の相欠き部分は、水平器を使って位置合わせ・現物調整しながら墨付けして加工した。
矢印部分の大小4つの棚板を設置
引き出しの動きもばっちり。矢印部分はケーブルを通すことで、電源タップを引き出し内に隠して目立たないような使い方を想定していたのだが、棚板奥に取り付けた横揺れ防止の板とケーブルが干渉することが分かり、想定した使い方はできなかった。残念。
シェルフ下側。隣の秘密基地へ延びるケーブルが少々邪魔だが、ファイルボックス等の収納後は目立たなくなる。
シェルフ上側。この場所でしか使えない、特徴的な形。シェルフは壁との隙間なくぴったりと寄り添っている。固定棚板の位置が秘密基地入り口のドアレールと揃うように設計している。
収納した様子。書棚というより、飾り棚といったほうが良いのかも。子供たちが何処かへ出かける都度、ぬいぐるみを買ってきてくれるのでどんどん増えていった。レゴテクニックの模型は占有する場所が大きい。ままごとの冷蔵庫で余った1段分の引き出しは収納ボックスとして継続利用している。
番外編:秘密基地入り口には「おかしば」達がいい感じで並んだ。
80mmで加工すべきところを60mmで加工してしまった場所の補正。20mmにカットした角材をただはめ込んだだけ。接着していないのですぐに外すことができる。なくてもいいかも・・・。

製作費用

最後に今回の製作費用をまとめてみた。棚板はコストをかけないようにホームセンターで販売されているパイン材を利用し、引き出し部分は自宅に保管していた木材を活用するなどコスト削減の努力はしてみたものの、トータルでいくらかかったのか。鬼目ナット、ジョイントコネクタ、サンドペーパーなどは消耗品扱いとして集計の対象外にしている。

材料用途数量価格(円)購入方法コメント
ゴム集成材シェルフ側板1式17,330通販(マルトクショップ)厚さ20mmのゴム集成材一式。送料4,400円含む。
パイン集成材棚板1式4,774ホームズ可動の棚板3枚分
パイン集成材棚板1式3,476ホームズ固定の棚板2枚分
パイン集成材棚板1657コーナン可動棚として、最上段の小さい棚板
MDFボード引き出し底板1437ホームズ
スライドレール引き出し1900amazon.co.jp3段引きフルオープン。左右セット
合計27,574

毎度同じことの繰り返しなのだが、不思議と部材を購入したり製作している途中では「コストかけないようにするぞ」って努力はしていて、「今回は、さほどコストかかっていないのでは?」って思うのだが、製作後に集計してみると想定以上にコストがかかっていたりする。今回も同様で、余っている材料も活用したのだが3万円近い出費になってしまった。2メートル以上の材料を通販で購入したため送料が高かったというのもある。

実際に仕上がったシェルフは雰囲気も良くて書籍やぬいぐるみ、模型など様々なものを収納したり飾ったりできるようになったので満足感はあるのだが、やはり最近の木材価格の高騰を感じてしまう。データで比較していないので正確なことは言えないのだが、体感的に以前の倍ぐらいになっている気がする。ホームセンターで販売されているパイン材なんかがいい例で以前は今の半額ぐらいの値段だったような気がする。

まあ、今回もいろいろと思うところはありますが、致命的な作業ミスもなく意外と段取りよく完成できたのはよかった。しかも、こんな変則的な形のシェルフは販売されていないし。ぬいぐるみたちも喜んでいるかな!

Woodworkingカテゴリの最新記事