3年半、よく我慢してくれました
長男の学習机完成から約3年半が経った。長男はすでに小学校4年になっており、その間、デスク下の引き出し収納がないまま、日々勉学に励んでいる(と思う)。いい加減、作ってあげないといけないのだが、一度、長女の時に作っていることから、同じようなものを作ることに対してモチベーションがいまいち盛り上がらないことと、作ったら作ったで、複雑な作業が多くてそれなりに時間がかかってしまうため、敬遠してしまっていた。これじゃいけないと発奮し、お盆休みや連休なども活用して一気に作ることにした。
before / after
小学生になったのに引き出しがないということで、使わなくなっていたプラスチックケースを持ってきて「すぐにワゴン作ってあげるから、とりあえずこれ使っておいて」と渡したのが始まりだった。あれからもう3年半近く、文句も言わずによく堪えてくれた。
それでは、上記のデスクワゴンの製作記録を。
基本構想・設計
以前、長女版のデスクワゴンを製作していることもあり、基本的な構造や利用する部材などのイメージはできている。長男は小学4年になっているため、学習机の天板も最下段ではなく少し位置が高くなっている。その学習机下に入るワゴンを長女のときのワゴンをベースに再設計したところ、薄型の引き出しを1段追加できるようになっていた。長女の時は小1/大1の2段引き出し構成だったのだが、長男の時は小2/大1の3段引き出し構成にできた。
下図はその詳細設計図。このままだと文字やラインが小さすぎて何が何だかわかりづらいのだが、A3 x 4枚構成でのポスター形式での印刷にしてつなぎ合わせて、仮想A1ぐらいの設計図として、それを見ながら作業を進めた。(詳細設計図はクリックで拡大表示されます)
材料を調達する
木材はほとんどの部分をタモ集成材にしており、天板と引き出し前板は見た目重視でタモ無垢材にした。その他、細かいところにウォールナットを併用した。引き出しはコストダウンのため近所のホームセンターでパイン集成材を購入、その他MDFボードなども同じホームセンターで購入した。
スライドレールは設計時に想定していたもの(長女のワゴンの時に購入したもの)がネット通販で購入できなくなっていた。そのため、予定していたものとは別のスライドレールを探し(今回はYahoo!ショッピング)、それにあわせて設計書も修正している。キャスター、シリンダー錠はモノタロウで購入した。この2つは前回の時と同じだ。
側板の加工
ワゴンの外回り、いわゆる本体部分から製作を始める。
天板と底板の加工
ワゴン自体が、2回目の製作になるため、基本的には前回と同様の工程を繰り返す。まずはワゴン底面から加工する。
次にワゴン本体の天板側を加工する。(昇降天板側ではない)
引き出し関係の加工
ルータテーブルを使った作業を行っていたことから、ワゴン本体を組み立てる前に、ルーターテーブルを利用する作業を継続した。作業場がかなり狭いので、ルーターテーブルや集塵機のセッティング、飛び散った廃材の清掃などがかなり大変なため、同じような工程はまとまって実施したい。(本当に作業場は狭く、幅90mm、奥行1500mmぐらいのスペースが私の工房となっている。いつの日か、別途紹介したい)
いったん、この段階で引き出し部材の製作はやめて、次の工程に移る。
昇降天板用の部材加工
天板を昇降させる仕組みも長女の時と同じ仕様で製作する。左右、前後2か所で天板を支えることになるため、まったく同じものを4つ作る。
このあとは、現物調整しながら加工を行う必要があるため、昇降天板の作業はここでいったん停止。
ワゴン本体を組み立て
作業工程を残すのを忘れてしまっていたが、組み立て前に加工が終わった部材を240番のサンドペーパーで仕上げて、オスモカラー/ノーマルクリアで塗装している。一部、ワゴン本体のフロント上部の角だけウオールナットで組み付けているが、この材だけオスモカラー/ウォルナットで塗装している。
再び昇降天板部材の加工へ
設計図通りに加工を進めてはいるものの、素人の手作業のためどうしても0.5ミリとかひどい時は1ミリ程度のずれが発生してしまう。そこで、途中まで加工した材を現物に固定して、その上でさらに追加加工する板の墨線付けを行うことで、これらの誤差が目立たないように、また可動部分がスムーズになるように加工できる。工程が複雑になるけれど素人木工ではおすすめのやり方だ。
再びワゴン本体の加工へ
ワゴン本体の側板は、”本体に固定される部分”と、”天板昇降と一緒に可動する部分”とに分離されているため、このままだと側面側に隙間ができてしまう。側面をきれいに見せるために、厚さ4mmのMDFボードをワゴン本体の内側に取り付ける。
スライドレールの取り付け
ワゴン本体がほぼ出来上がったためスライドレールを取り付ける。なお、この時点では、ワゴン本体の背板は取り付けていない。背板があるとスライドレール取付や引き出し位置の微調整などが行えなくなるからだ。
これらの作業を左右両面、同じように行う。地味な作業だが引き出しの水平/平行や取り付け後の見栄えを確保するためにも重要な作業だ。
またまた引き出しの加工へ戻る
スライドレールを取り付け終わったら、レール内側面の内寸を図り、引き出しの前後部分の寸法を現物と合わせて確定させる。先にすべてのアリ組加工を完了させてしまうと、現物と合わせたときに、0.5ミリ程度のすき間があっただけでレールが動かなくなったり、引き出し自体が取り付けられなくなったりするためだ。
もちろん、学習机を製作した時のようにスライドレールを使わなければ、0.数ミリ単位でサイズ調整する必要はない。
ワゴン本体に引き出しを取り付ける
スライドレールを正確な位置決めのもと取り付けてはいるが、さらに引き出しを取り付ける際も左右の平行度合いや、すき間が均等にできることなどに気を使いながら引き出しを取り付けていく。
完成披露!
8月初旬に作り始めて、完成したのが9月下旬。およそ1.5カ月かかって完成した。
製作費用
木ネジやジョイントコネクター、塗料、小さな木材(赤いやつ)などは消耗品扱いにして合計金額に含めていないが、おもにタモ無垢板/集成材、金具等のコストを中心にまとめてみた。
材料 | 用途 | 数量 | 価格 (円) | 購入方法 | コメント |
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タモ集成材 | ワゴン本体 | 1セット | 6,260 | マルトクショップ | ワゴン本体の天板 1枚 ワゴン本体の底板 1枚 (サイズが少し異なるが同じ価格が2枚) |
タモ集成材 | ワゴン本体 | 1セット | 4,980 | マルトクショップ | ワゴン本体の側板 |
タモ集成材 | 昇降天板の支柱 | 1セット | 2,320 | マルトクショップ | 昇降天板を支える支柱で、4つ分加工した |
タモ無垢材 | 昇降天板の幕板 | 1セット | 1,400 | マルトクショップ | 天板すぐ下に取り付けたもの |
タモ無垢板 | 昇降天板の天板部分 | 1 | 7,050 | マルトクショップ | 大きな無垢材だけに最も高価な木材となった |
タモ無垢板 | 引き出し前板 | 1セット | 4,540 | マルトクショップ | 無垢板だけに小面積の割には高い |
ウォルナット無垢板 | ワゴン本体 | 1 | 360 | マルトクショップ | ワゴン本体前面の上側に付けたもの |
スライドレール | 引き出し | 2 | 2,500 | Yahoo!ショッピング | HAFELE(ハーフェレ) FL28シリーズ 422.95.955 長さ550mm 耐荷重28kg/組 脱着可能/横付式 |
スライドレール | 引き出し | 1 | 1,740 | Yahoo!ショッピング | HAFELE(ハーフェレ) FL35シリーズ 422.30.955 長さ550mm 耐荷重35kg/組 脱着可能 底面ネジ止め |
双輪キャスター | | 3 | 1,737 | モノタロウ | 東信製作所 双輪キャスター Uタイプ(ボルト取付) U40-B M8×P1.25 |
双輪キャスター | | 3 | 2,217 | モノタロウ | 東信製作所 双輪キャスター ボルトタイプ ストッパー付 (Uタイプ) US40-B M8×P1.25 |
シリンダー錠 | 引き出し | 1 | 2,243 | モノタロウ | スガツネ(LAMP) 面付シリンダー表示錠 2200型 2200-24-B 150-060-413 |
ラジアタパイン集成材 | 引き出し | 1セット | 約3,000 | ドイト | 厚さは14mm。 残念なことにレシートを紛失のため、おおよその価格 |
MDFボード | 引き出し、ワゴン本体 | 1セット | 約1,000 | ドイト | 厚さは4mmと5mm。 残念なことにレシートを紛失のため、おおよその価格 |
| | 合計 | 41,347 | | |
デスクワゴンの製作費用
長女のデスクワゴンが約32,000円ほどだったため、それと比較すると少し高価格になってしまった。引き出しが一段増えたことと、奥行きも50mm程度長くなっているためだと思う。市販品の突板ではなく無垢材のデスクワゴンと比較しても安く仕上がっているとは思う。使用したシリンダー錠やレールもこだわって選んだものだし、自分で作ったことで、部材ごとに修理しやすい構造にもできている。
細かいところに着目するともう少し精密さ・きれいさを確保しながら仕上げられないかなーと思うところもあるが、素人が作った割には立派なものができた。
早速長男は、1段目の引き出しに自分のものを片付けて鍵をかけていた。長女の時もそうだったが、鍵があるとうれしいらしい。ほんとに待たせてごめんよ。
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