上出来の初マラソン!
第62回勝田全国マラソンの模様及び結果を写真を中心にレポートします。私の初マラソンだったのですが、マラソンってどういう順序でプログラムが消化されていくのか、実際に走るとどんな感じなのかが、少しでも伝わればと思います。なお、サイト中に掲載の写真はスマホで撮影したもの、デジカメで撮影したものが混在しており、アスペクト比がバラバラになっています。少々見ずらい点がありますがご容赦ください。
まずは大会にエントリーする
大会への参加資格を得ないことには、レースを走ることすら出来ない。近年のものすごいマラソンブームの影響もあってエントリーするだけでも大変だというのをネットでたくさん見かける。特に抽選ではなく先着順だったりするとエントリー画面にさえたどり着けないこともあるようだ。湘南国際マラソンなんかがこんな感じで出走資格をゲットするのも相当難しいらしい。
東京マラソンは抽選なので運が良ければ走ることが出来るのだが、その落選の通知が来たのが2013年の9月26日。マラソンへの挑戦はもっと後でも良いかなと思ったが、たまたま勝田全国マラソンというものを見つけ、10月7日にエントリー。定員制限はないようだった。いよいよ初のフルマラソンへ。もう後戻りは出来ない。
1月10日ごろ、大会案内が届く
大会案内(プログラムやゼッケン、計測チップ等)が届く。いよいよフルマラソンかぁ!ってな感じでやるぞーとならなければいけないところなのだが、練習での30kmペース走のへこたれ感でちょっと自信喪失状態だったりする。4時間切りが目標だったのに、完走できるかなぁーと弱気になっている。
1週間前の週間天気予報によると、水戸地方の1月26日(日)は雨マーク。木曜日頃までの予報では日曜日ずっと雨マークだったので雨でのレースを覚悟したが、前日の予報では明け方まで雨は残るが朝には上がるということで雨天でのレースはなんとか回避できそうだ。念のため、薄い透明の雨合羽を準備しておく。
朝6:00に家を出て、7:30ごろひたちなか市へ到着
前日は夜9時ごろには布団に入ったが、なかなかぐっすり寝つけなかった。
自宅を朝6:00にマイカーで家族4人で出発する。今回、初マラソンということもあり家族も是非応援に行きたいということで一家揃って出発となった。ただ、スタートしてから4時間ほど何をしながら家族3人は待っているんだろうと個人的には心配したが、後から話を聞くとそれなりに楽しめたそうだ。待ち時間など迷惑をかけるといけないので一人で行くつもりだったが、後から考えると家族のサポートの偉大さが身にしみた一日だった。
勝田マラソンスタート地点付近のひたちなか市のJR勝田駅にはちょうど7:30頃到着。駐車場の空き状況が少し心配だったが、駅前の市営駐車場はまだまだ余裕だった。もし到着が8:00過ぎになっていたら満車で駐車が厳しい状態だった。来年エントリーするときは更に30分早めに出発したほうがいいかもと、フルマラソン走ったこともないのにすでに来年のことも考えている・・・。
当日の朝食は高橋尚子選手を倣って、朝7:00ごろに車の中で海苔のついていない梅干し入りおにぎり2個(海苔は消化の悪い繊維質の仲間なので敬遠)、カステラ2片、果汁100%のオレンジジュース200mlをとった。梅干しはクエン酸がたっぷりでなんだか良いらしい。また、スタート1時間前にもカステラ2片、そして10:00ごろにアミノバイタル1個を摂取してスタートを迎えている。
歩いて会場まで
駐車場から徒歩で約10分から15分ぐらいで、会場となる石川運動広場へ到着する。
参加賞と交換
9:30まで参加賞への交換を行っているので、まずはそこへ行って参加賞をもらう。どこに行ってもすごい人混み。
真冬のマラソンということで寒さ対策として、ドライタイプの長袖シャツ、その上にウォームタイプの長袖シャツ、そして半袖Tシャツと3枚重ねで準備して、イヤーウォーマーも付けて走る予定だった。だが、思った以上に暖かく風もほとんどないということで急遽、一番下に来ていたドライタイプの長袖シャツを脱ぎ、イヤーウォーマーも外して帽子をかぶってスタートすることにした。スタート前にさらにトイレに2回行く。
出走時に装着したアイテムを簡単にご紹介。
いよいよスタート、なのだが、、、。
スタートの号砲が鳴る。が、まだトイレに並んでいたのだった。トイレの行列はいつもすごくて、「やばい、もう10時30分になってしまう」と焦っているうちに、この瞬間を迎えてしまったのだ。
意識したわけではないが、ウェアが今回は上から下までNew Balanceになってしまった。また、マラソン大会「本番」にヘッドフォンを装着して走って良いのか?というのがわからなかった。大会の公式プログラムを見ても禁止されているわけではなさそう。周りを皆渡した時何人かヘッドフォンを付けて準備している人がいたので「問題なさそうかな」と思い、自分もヘッドフォンを付けて練習時と同じように音楽を聞きながら(ボリュームは小さめで)1kmごとのラップタイムも確認しながら走ることにした。終了後に振り返ると、やはり自分のペースが把握できるという効果は絶大で、結果的にヘッドフォンを装着して走るというのは大正解だった。
いよいよ本当のスタート
慌ててEブロックのスタートコーナーに行く。さすがに出遅れていて、E,F同じブロックだったため到着した時はFブロックの最後尾。早歩きでスペースを見つけながら少しでも前の方へ行くと、そのうちにEナンバーの人たちが多くなってきてちょっとだけ安心する。計測チップで測定してくれるのでどの位置からスタートしようが関係ないんだろうけど。
スタート時の混雑は想像以上。グロスでタイムを狙う場合は要注意ということも今回勉強した。号砲から約9分遅れでスタート地点を通過する。スタート地点に合わせてiPhoneのRunKeeperとRuntasticをほぼ同時にスタートさせる。1kmごとの通過時の音声フィードバックは後半になると誤差が徐々に大きくなっていく(詳細は後述)。
ここから、レースの模様。All Sportsの写真とともに。
スポーツ写真サイト オールスポーツコミュニティで購入したデータを一部活用しながらレースの経過をまとめてみた。ただ、購入した写真データを確認すると、EXIF情報の撮影時刻があっていないものがあり、一部は時間、距離を推測しながら掲載している。All Sportsさん、このあたりは改善してください。
スタート直後
とにかく人だらけで走りにくい。最初の1kmは5分30秒ぐらいとだいぶ時間がかかってしまっている(後から振り返れば予定したペースなのだが)。2、3km時点はRuntasticが読み上げる自分のペースが5分10秒/km前後。少し前にスペースがあっても、すぐに、前にいる人に追いついてしまう。スペースを見つけては左右に人混みを縫うように少しずつ追い越していく。勝田マラソンは、最初はゆっくりとした上り坂が続く。5分10秒/kmのペースは予定より少し速すぎで、このまま行くと後半バテてしまうと感じ、せめて5分20秒か30秒ぐらいまで落とそうとするが、次の1kmのスプリットがまた同じぐらいのタイムを刻んでいく。もうこうなったら自分を信じてこのまま行くしかない。音楽のボリュームは少し弱めの設定で周囲の音が聞こえるようにした。5km過ぎるとちょっと急な上り坂が現れる。
5km地点でマラソン大会初めての給水!
5km過ぎたところに最初の給水ポイント。ものすごい人混みでまともに水を取るにも一苦労。運良く道路の給水側にいたのでなんとか取ることが出来たが、普通の水だったので軽く口に含む程度で済ませる。紙コップを捨てる場所が限られており、ほとんどの人が道路にそのまま投げ捨てている。僕も申し訳なさそうに道路の橋に捨ててしまった。ごめんなさい。
10kmから15kmにかけて少し長めの下リ&上りが出現
10km時点で予定通り1つ目のアミノバイタルを摂取する。ゼリー状だけど全然むせることもなく飲むことが出来た。退会本番で初めて摂取した食材!?だったが、グレープフルーツ味で飲みやすかった。ただ、この辺りで少しトイレに行きたい感じがしてきて少し冷やっとしたが、最後までトイレに行くことはなかった。トイレはどこでも数人が並んでいて、おそらく立ち寄ると4,5分のタイムロスになったはずだ。しかも道路脇で「○○ション」をしている男性も途中途中で見受けられた。みんな大変だったみたいだが・・・。
この区間は少し長めの下りが続きその後同じぐらい長い距離の上り坂が続く。下って上ってというコースが一直線上になっていて走りなが遠くが見通せるので「長げーなー」と思いながら下り坂ではペースが速まらないように、上りは極端にペースが落ちないようにテンポよく走ることを心がける。あと、顎が上がらないようにも気をつける。
と、その時、エリック・ワイナイナ選手が追い抜いていく。追いぬく都度、近くの人の背中をポンと叩いていて「頑張って」と声をかけている。みんな「うぉっ」って感動していた。自分も背中叩いてほしいと思ってワイナイナ選手をそれとなく追い抜こうとしたが無理しては行けないと思い、マイペースをキープする。
まだまだ余裕の15km付近
15km地点で予定通り1個目のスポーツようかんを摂取する。はじめて走りながら食べた。ようかんの包の開け口を予め折返しておいたので手袋をした状態でも問題なく開封できた。このスポーツようかん、なかなか美味しくて今後のLSDなどの練習でも利用したいと思った。給水も問題なく出来き、天候も良く気温もそれなりに上がっているようだったのでスポンジをとっては肩と足に水を振りかけながら走った。あっという間に15kmまで来たなーとまだまだ余裕の状態だった。
練習で何度も走った、20km付近
15km以降も小刻みにアップ・ダウンが続く。やはり上り坂は非常に苦しいが、ラップタイムはさほど落ちることもなく順調に5分15秒前後を維持できている。20kmで2個目のアミノバイタルを摂取。個人的にはもう20kmまで来たかーって感じで、ここまでも順調。中間地点に計時表示があって詳しい時間は覚えていないが、そのとき表示されていた時間ではこのままのペースで行けば×2してもグロスタイムでも4時間を切れそうなペースで通過。ちょっと速すぎて後半失速しないかと心配。
まだまだ大丈夫!? 25km付近
25kmを少し過ぎたところでJR常磐線を越えるための陸橋を登る。これが結構な上り坂で周りからヒーヒー言っている声も聞こえる。同時に、歩き出す人、リタイヤしている人が多く見られるようになってきた。まだこの辺りはそれなりに順調。25kmで2個目のスポーツようかんを食べる。この辺りから日差しがなくなってきて気温も下がり、風が冷たく感じられるようになってくる。この後、ずっと太陽が出ることはなかった。
いよいよ辛くなってくる30km付近
魔の30km付近。コースはアップ・ダウンの繰り返しばかりで、上り坂では周りのみんなのペースが落ちていることがはっきりと分かる。自分は顎をあげないことと足は前に出し過ぎないように(膝を傷めないためにも)真下に着地させるような感じに気をつけて、ペースを維持しながら走る。
そのうち、残り10kmの表示が見える。いよいよ、きつくなってくる。足(特に膝)もだんだん辛くなってきて、少し歩きたい、一度立ち止まって屈伸したいという気持ちとの葛藤が始まる。でも、一度立ち止まったり歩いたりしてしまうと、気持ちが切れてしまい、もう二度と継続して走れないことは練習中に何度か経験していたため、痛みをこらえて頑張って走り続ける。Runtasiticが読み上げるラップタイムもスタート時のペースを維持できているではないか。あとは毎月200km近くを走りこんできたこと、ヘタレの30kmペース走だったけど2回も練習で走ったんだという自分を信じて走り続ける。
3つ目のアミノバイタルを摂取。当たり前だが残りのkm数の表示が1kmずつ少なくなっていく。このままペースが極端に落ちなければ4時間切り出来そうだと、サブ4を意識し始める。6分台/kmにペースが落ちませんように・・・。
相当つらい35km過ぎ
とある女性ランナーに追い越される。自分よりわずかに速いペース。何とかついていこうとしたが、少しづつ離される。無理は禁物。でもRuntasitcのラップタイムは5分前後/kmから落ちていない。「そんなにオレはいいペースなのか!」と自信を取り戻す。スタート直後から公式撮影のカメラマンを見つけるたびに、片手上げたり、両手上げたりポーズをとっていたけど、30km過ぎてもカメラを見つけるたびに、できるだけポーズして走ったことも元気の源になったのかも。まったく根拠はないけど。
ペースを落とさないように残りkm数の表示を見つけては頑張る。3つ目のスポーツようかんを食べる。これでスタート時に所持していた補給食は全部無くなった。「あとはゴールするだけだぞ」と言い聞かせる。4時間切り、行けるかも。
空は完全に曇りになっていて、気温も下がってきている。風邪が冷たく感じるようになる。スタート前とはまったく違う天候になってしまっている。
かなり頑張った40km付近
この辺りは単に辛いだけ。ひたすら走るだけなんだけど、38kmか39kmぐらいで胸のみぞおちあたりがキリキリと痛み出す。痛むところをギュッと押さえて痛みを和らげながらパンパンに張った足にムチを入れる。つま先が「もしかしたら血がにじみだしているんじゃないか?」と思えるほど感覚が変になっていて、走りながらシューズ爪先部分を見るも、血が染みだしている様子はない。ほんとに変な感じで、足の指が無くなっているんじゃないかと思えるほどだった。
そして40km、41km時点では、1kmの距離がものすごく長く感じる。スタート時点から感じていたのは、沿道の声援がすべて自分を応援してくれているように思えることだ。たぶん、この声援がまた次も頑張ろうという力になっているんじゃないかと完走前ながらも、改めてマラソンというスポーツの奥深さに感動する。ペースは自分でも少し上がっている感じがした。
ついにゴールへ
41km地点に長い直線が1本あって、それを右に曲がるとまた長い直線が1本。沿道の人の数もすごい。明らかに苦しい顔をしている自分。この直線の終わりで左折すると石川運動広場に入り最後の100m直線ぐらいでゴールとなる。芝生に入ってからは自分なりにラストスパートかける。ゴール直前、「パパー」という声援が右側から聞こえる。家族が僕を見つけたらしい。右手を振りながらゴール。
ゴールの様子
見事に初マラソン、完走。しかもグロスタイム、ネットタイムとも4時間切り。ネットタイムで3時間40分08秒。もう少しで3時間39分台だったのになんて後から少し欲張ったが、初マラソンにしては相当、上出来ではないでしょうか。年末年始に2回実施した30kmペース走があまりにもヘタレだったので完走すら危ぶないのでは、当初の目標だったサブ4どころじゃないよ、とちょっと凹んで臨んだだけに目標以上の結果が得られて充実した一日となった。
ゴール後の流れ
ゴールしてすぐ隣にスポーツドリンクコーナーがあってスタッフがどうぞと渡してくれた。一気に飲み干すと「おかわりどうぞ」ともう一杯いただく。レースの給水ポイントのスポーツドリンクはかなり薄かったが、これはちゃんとした!?味の濃いスポーツドリンクだった。計測チップが取り外された後はスタッフの誘導にしたがって、完走記念のTシャツ、ヤクルト2本、そしてバナナをもらって記録証発行所へ向かう。
そして、今回の記録証。サブ4達成出来てうれしい、我ながらよく頑張ったという気持ちと、次はサブ3.5目指して頑張ろうという新たな目標ができた。いい感じで終わったので、「もうフルマラソンは嫌だ」となっていないところがうれしい。
参加賞や完走記念のTシャツなど
今回、参加したことで以下のものを頂きました。
iPhoneのランニングアプリのデータ
今回、練習時と同じように、RunKeeperとRuntasticの2つのアプリを起動して、2つのアプリでロギングしながら走った。GPSウォッチなんて高度なものは所持していないので。
振り返ると、最初の1kmの混雑ぶりがタイムからもなんとなくわかる。ゴール後、すぐにアプリを停止するのを忘れていたため(止める余裕がなかったというのが正直なところ)、完走記念のTシャツをもらったりしてしばらく歩いた後にロギングを停止していないことに気づいてから停止した。iPhoneは2年以上も利用している4Sだが、バッテリの持ち具合は2つのアプリを同時利用でも4時間ぐらい全然問題なかった。
まずはRunKeeperのデータから。距離は後半になるほどズレが大きくなり、スタート地点では数メートルから数十メートルぐらい?の誤差だったものが、40kmぐらいになると300、400メートルぐらいの誤差になっていたような感じがする。GPS高度は大会パンフレットと同じような表示になっている。
次にRuntasticでのスプリットタイム。RunKeeperの1km単位のスプリットタイムは後から参照する分には役に立つのだが、走行時に読み上げるタイムがまったくもってめちゃくちゃなので音声フィードバックは利用しないようにしている。なので、スプリットタイムの音声通知はもっぱらRuntasticに頼ることになる。これは、今回のレース時のデータ。だいぶ誤差があるのだが、35km以降も結構頑張っているじゃない!
以上、初マラソンレースレポートでした。途中で記載したとおり沿道の皆様の声援には非常に勇気づけられて、まったく見知らぬ人なんだけどみんなが自分を応援してくれている、そんな暖かさを感じながら走ることが出来ました。また、レース中のエイドでサポート頂いたスタッフの皆様にも感謝申し上げます。また来年も出場したいです。
そして最後になったけど、サポートしてくれた家族へ、ありがとう。平日、早めに仕事から帰宅した時はランニングに行ったりすることが多かったので、せっかく早く帰宅しても、平日に家族と一緒に食事することもあまりなかったように思います(たぶん、今後も練習次第ではそうなるかも。すみません)。今回の初マラソン、もし一人で来ていたら手順とか慣れない中、荷物の見張り役とかもいないし、貴重品管理の面でも苦労したことと思います。またゴール後も知らない人ばかりで感動を共有できずに寂しい思いをしていたかもしれません。本当にありがとう。
// 2014年2月8日更新 //
RUNNETに公式?の大会結果がアップされていました。順位は40歳代、総合とも前半3分の1あたりのところでした。