本記事は2014年1月時点での経験、情報に基づくものです。
ダイエット目的でライニングを始めたのが2012年の9月。最初は5kmぐらいの走行距離からはじめたが、そのころは途中の折り返し地点で少し休憩(ウォーキング)してから戻ってくるようなランニングというかジョギングがやっとの状態だった。その後、徐々に月間走行距離を伸ばしながらも、途中無理しすぎて左膝の痛みが激しくなり、2ヶ月間ぐらいほとんど走れない期間もあった。
暑い夏は無理せずに長い距離は走らずに単純に10km走るだけの日々を繰り返し、少し涼しくなった秋からはインターバル走を取り入れるなど練習も工夫した。春に経験した膝の痛みは完治してくれないが、アイシングや湿布薬での対処で痛みも和らぐようになった。その年の6月ぐらいから、月間走行距離が150kmから200km程度に伸びるようになり、12月末と1月初めに30km走(LSD)を2回実施。そして初マラソンとなる勝田全国マラソンに挑戦した。
フルマラソンってどんな準備が必要なの?どれぐらい練習で走らないといけないの?という場合の参考になるように、まったく運動をしていなかったサラリーマンがフルマラソンに挑むまでの過程をを簡単にまとめてみた。
これまでの走行距離や練習内容など
はじめの小さな一歩からフルマラソンに挑戦する直前まで、練習で走った距離をまとめてみた。もともとマラソンなんて全く考えていなくて、単に「痩せたい。このままではやばい」というダイエット目的だけのジョギングだった。
しかしながら、毎日走り続けるうちに、「もしかしたら、フルマラソンって自分でも走れるかも」と思うようになる。月間150kmとか200kmとか走れるようになって、 「とりあえず完走」という目標が現実的になってくる。これはいけるかも。次第に練習の 一人模擬ハーフマラソンでも1時間45分を切れるようになったので「初マラソン、4時間切り。”サブ4達成”」というのが目標になった。だが、練習での30kmペース走がかなりバテバテでイケてなかったので、この目標に対してかなり自信をなくして初マラソンに挑戦したのが実情である。
走り初めたときから、 毎朝の体重、練習時の走行距離などを記録としてExcelファイルにまとめていたので、それを振り返ってみた。毎日の記録はスペース的にもとても掲載できないため、体重は月末の最後の日にちの早朝、朝食前時点に計測したものを掲載し、走行距離はiPhone 4SのGPS機能による実測値を掲載している。GPSウオッチを使うようになったのは、第2回目の古河マラソン終了後からである。
年 | 月 | 距離 (km) |
体重 (kg) |
練習内容 | 発生した痛み | コメント |
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2012 | 9 | 67 | 71.5 | 2012年9月15日からジョギング開始。5kmを7分/kmオーバーの超スローペースで走る。今思うと、たった5kmでも相当苦しかった。10日間ほど続けていると、途中でのウォーキングや休憩なしに連続して5kmほど走ることができるようになった。記録を振り返ると、まじめに週4、5回ほど走っていて、この小さな継続が今に繋がったんだなとちょっと感動! | 走り初めの頃はアキレス腱の痛みとふくらはぎの張りに悩まされる。 | 全てはここから始まった。このとき体重は71.5kg(身長は172cm)。相当お腹まわりにも肉がついていて、誰が見ても「少し太ってきたんじゃない」という状態。最初はナイキのライニング用ではないスニーカーで走っていたが、3日間続いたのでアシックスのシューズを買った。ただ、今思えばこれもランニング用シューズではなかったらしい。 |
10 | 95 | 69.2 | 9月22日に5kmの壁を超え、8km走にチャレンジ。その後、徐々に8kmの回数が増えていく。 | 9月13日からアキレス腱痛のため1週間完全休養している。フォアフット走などいろいろな情報に振り回されていた。今はあまり足を前に出さすずに真下に落とすようなイメージで走る方法に落ち着いている。 | 9月20日の練習からiPhoneのランニングアプリを利用した練習を始めた。 | |
11 | 145 | 66.2 | 10月10日、ついに練習が10km走に到達。このあたりの練習から短くても8km、長くて10kmのようなパターンが続くことになる。 | 整形外科に行くも、アキレス腱痛とふくらはぎの張りが解消しないため、整骨院に週2回ぐらいのペースで通った。確か、1ヶ月半ぐらい通ったはず。その後、すごく調子が良くなったことを覚えている。 | 試行錯誤の結果、iPhoneのランニングアプリとしてRunKeeperとRuntasticを併用というのに落ち着く。本格的に継続するようになったので、アシックスストアに行って足形の計測サービスを利用。シューズもGT-2000を新調した(11月20日)。 | |
12 | 248 | 64.2 | 毎回、最低10kmが練習メニューになる。12月1日に初めて15kmを走る。その後、12月14日には20kmに到達し、土日のいずれかは20km走を行うようになる。ビルドアップ的な練習も取り入れるようになって、最後の2kmは4分40秒/kmぐらいで走れるようになる。 | アキレス腱の痛みもふくらはぎの張りも解消して、快調に走れた月だった。 | 10kmぐらいだったら苦もなく走れるようになり、狂ったように走った12月。帰宅時間が夜の12時を過ぎなければ深夜であろうが走ったのがこの頃。このへんの無理が後から響いてくることになる。 | |
2013 | 1 | 202 | 62.0 | 10km、15km、20kmのいずれかの距離を走るようになる。1月26日にこれまでの自己最長の25kmを走る。10kmの場合は5分15秒/km前後、20kmの場合は6分/km以内ぐらいのペースで走っていたようだ。 | メモによると、この月も特に痛みは感じていなかった様子。 | この月も200km超え。年末年始の休暇中もほぼ毎日のように走っていた。 |
2 | 87 | 61.2 | 明確な理由は覚えていないが、確か仕事がかなり忙しくなってしまい、平日はまったく走れす、土日のみ一日18kmぐらい走る。1ヶ月間でわずか5回だけの走行。 | 15km過ぎぐらいからペースがガクンと7分台、8分台/kmに落ちるようになる。実は2月に入った頃から、15kmぐらいを過ぎると左膝が痛み出し(何故か左だけ)、走ることが出来ずに歩くようになっていた。何回か、整形外科にも通ったが、この痛みがしばらく解消出来ないことになる。 | 膝の痛みは膝周辺の筋肉がついていないのではと考えるようになり、走行日に関係なくスクワットを20回×2セットするようになった。また、腕のふりをしっかり保つという意味で、腕立て伏せや腹筋、背筋も同様に20回×2セットを行う。いまでもこのプチ筋トレは続けている。 | |
3 | 36 | 62.6 | とうとう、膝の痛みは最高潮に達し、1回の練習がわずか6kmぐらいになってしまい、それ以上走れなくなる。ペースも5分30秒/kmから6分ぐらいで、それ以上のペースアップも出来ずにまったく冴えない。 | 途中、思い切って3週間ほどまったく走らない状態を作った。そして月末の30日、31日と走ってみたものの6分/km以上かかるペースで5km程度しか走れていない。相当、膝の痛みが激しくなってきた。 | 走れなくともプチ筋トレは続ける。 | |
4 | 21 | 63.8 | 4月は最後の3日間のみ走り、それ以外はまったく走らなかった。わずか1回、7kmぐらいの練習だが、5分30秒/kmぐらいのペースで走れているので膝の痛み少しは解消してきていたのだと思う。 | 3月30日、3月31日の練習時の左膝の痛みが激しかったので思い切って、4月は月初からまったく走らなかった。いままで通っていた整形外科とは異なるスポーツ整形で診てもらうとともに、ほぼ1ヶ月まったく走らない期間を作った。 | 走った後はアイシングをしっかりして、痛みが少しでも残っていて不安を感じるときは湿布薬(ロキソニンテープ)を貼る。やはり走らないと体重も徐々に増えてしまい、64kg目前まで再上昇!! | |
5 | 78 | 64.0 | 距離は以前のように伸ばせないが、回数については週に3回から4回程度と少しずつ回復していった。ペースは5分30秒/kmぐらいでペースを上げることもなく淡々と走る日々。 | 少々、左膝に違和感があるものの以前のような痛みはなくなってきていた。 | 走った後のアイシングは欠かさず、痛みが少しでも残っていて不安を感じるときは湿布薬(ロキソニンテープ)を貼る。 | |
6 | 145 | 62.7 | ようやく10km程度走れるようになってきた。ペースも5分/km前後ぐらいまで上がっている日もあった。 | それほど痛みはなかったと思う。 | 走った後のアイシングは欠かさず、痛みが少しでも残っていて不安を感じるときは湿布薬(ロキソニンテープ)を貼る。体重測定もオムロンの「体重体組成計 HBF-252F カラダスキャン」を購入してPCに取り込むようにした。 | |
7 | 165 | 63.25 | 長くても10km、5分30秒/kmぐらいのペース走を繰り返す日々。さすがに暑さにやられるため、10km以上の走行は行わなかった。というよりそれ以上走れない。 | それほど痛みはなかったと思う。 | だいたい走る時間帯は土日だと16:00とか17:00開始が多いのだが、夕方とはいえ連日の30度オーバーで10km以上の走行は無理だった。500mlのソフトフラスクにスポーツドリンクを入れて、ランニング用ウエストポーチを装着して走る。思ったように体重が減っていないどころか増えている。ビールのせい?? | |
8 | 166 | 63.00 | 練習内容は7月とほぼ同じ。 | それほど痛みはなかったと思う。 | 11月から使い始めたGT-2000 New Yorkでの走行距離が1000kmを超えた。8月10日からGT-2000 TOKYOにスイッチ。8月2日に東京マラソン2014にエントリーする。果たして抽選の結果は・・・。 | |
9 | 154 | 63.10 | 練習内容は7,8月とほぼ同じ。9月も変わらず猛暑続きだったので最長でも10km走どまり。 | それほど痛みはなかったと思う。 | 今考えると、7月、8月、9月とあの炎天下のなかを良く走ったと思う。でも、体重が減らない。そして、9月26日に東京マラソン2014の抽選結果通知があり、見事落選。 | |
10 | 137 | 62.00 | ようやく涼しくなってきたので距離を伸ばして、18km、20km程度のペース走に取り組む。ただ、圧倒的に走る回数(日数)が少ない。 | 10km以上走ると左膝に少し痛みを感じるようになる。10月12日と26日に特に痛んだというメモが残っている。念のためスポーツ整形に再度かかり、MRI診断を行ってもらう。特に悪いところはなさそうなのだが、軽微な所見ではあるが、「腸脛靭帯炎(IlioTibial Band Syndrome)」が考えられるとのこと。先生も「フルマラソン走るなら20kmぐらいは簡単に走れないとね・・・」と。湿布薬とアイシングをしっかりするということでとりあえず様子見。無理しない。 | 2月、3月ごろの悪夢が再び。ただし、入念なアイシング(左膝を30分程度)と寝る前の湿布薬でなんとか回復したような気はする。運が良かったのかも。 | |
11 | 180 | 61.20 | 平日は10km、週末は20kmまたはハーフ(21kmオーバー)の練習。だいたい週に3日程度の練習。 | 心配された左膝の痛みだが、それ以上悪化することはなかった。10kmではまったく問題ないが、20km程度走った後に足首をグルグル回すような柔軟運動をすると膝の皿の周囲に違和感を感じることが多かった。練習後の入念なアイシングと湿布薬は継続。 | 週に1回程度、3kmジョグの後、インターバル走(約200メートル×10本、または約400メートル×8本)を取り入れるようになる。その後、3kmをジョグで帰る。時には一人で模擬ハーフマラソンと称して21.1km程度を何回か走ったが、1時間45分以内で走れることも多く、フルマラソン4時間ギリを意識するようになる(距離と時間はiPhoneによる計測なので誤差ありだが)。 | |
12 | 153 | 62.35 | フルマラソンに向けて自身の未踏の距離25kmチャレンジを数回行う。もう、20kmと25kmはまったく別物で、楽々20km走れていたのが25kmとなると膝がガクガクして走れない。まだまだフルマラソンチャレンジは早かったか、とかなり不安になる。調子がいい時は、5分30秒/kmぐらいで走れていた。 | 膝の痛みだが、アイシングはそれなりに効果があるようで、次の日にはまったく違和感をなくすことができている。たぶん、筋力が追いついていないんだろうなと勝手に思い込む。 | 12月は仕事が忙しくてほとんど平日は走れなかった。週2回の練習だと走力も落ちてそうで心配になる。 | |
2014 | 1 | 129 | 61.95 | MyASICISのランニングプログラムによると1月第1週目に35kmのペース走に取り組むことになっており、それにチャレンジするも30kmが限界でそれ以上走ることが出来なかった。ますます完走できるのか心配になってくる。1週間後に再度35km走にチャレンジするもやはり30kmが限界。4時間切り、サブ4達成という目標がだんだん遠のいていく・・・。 | 30kmとか走った時はそれなりに膝がガクガクするが、翌日にはなんともないので左膝はなんとか大丈夫だろうと思っている。もちろん、20km以上走った翌日は完全休養する。 | MyASICSのプログラムにしたがって徐々に走行距離を落としていく。1/26のレースを控え、1/19に15kmのペース走、1/22に10kmのペース走(ビルドアップ)、1/24に5kmのペース走(6分/kmオーバーでかなりゆっくりで)で調整を行う。レース用のシューズは模擬ハーフマラソンと15km走でならしを行い、シューズに対していい感触を抱いたままレースへ。 |
合計 | 2208 (km) |
-9.55 (kg) |
はじめは一日で5kmをやっと走り切る状態だったものが、徐々に走行距離が長くなり10km程度走れるようになってくると、それなりにランニングに対する自信もついてきて更に距離を伸ばせるようになる。そして調子に乗って「今月は200km達成!」なんて喜んでいるのもつかの間、膝を痛めてしまいほとんど走ることができなくなってしまうという、初心者?によくあるパターンをたどっていたように思う。いわゆるオーバーユースだ。
高校生の頃は陸上部で長距離走をやっており連日10kmとか簡単に走っていただけに、自分は普通の人よりは走れるはず、と思って頑張ってしまうものだから故障するのも当然といえる。体は当時とまったく別物なのだから。30歳過ぎて結婚したころ一時期ランニングを行っていたものの(今回ほど走りこんではいなかった)、社会人になってからは、ほとんどハードな運動をしていないため、体が故障するのは必然の成り行きだった。
体が痛い、特にランニングは膝やふくらはぎ、太ももの裏側とかに痛みが出やすいので少しでも痛いと感じたら思い切って休む勇気が必要というのも経験した。今回は、レース直前にそういう痛みをあまり感じなかったのは運が良かったのかもしれない。欲を言えば、足に掛かる負荷を軽減するためにも体重をもう少し絞って59.x kg台にしたかったのだが、甘いもの好きが影響し、土日の家庭でのおやつタイムとか我慢出来ずに、ほぼ62kgで初マラソンを迎えることになった。
その他の補足情報
MyASICSによるトレーニングプラン作成
参考までに、プランを作成するとこのようなカレンダー形式で練習メニューを設定してくれる(下記はあくまでも「例」で勝田マラソン2014に合わせたプランではありません)。
また、練習前のストレッチや体幹を鍛えるための準備体操などランニングに必要ないろいろな情報が掲載されているので、これからランニングを始めようという人は、一度覗いてみるとよいと思う(決して私はASICSの関係者ではありません)。
なお、仕事の関係で、プログラムが設定した日(曜日)やプランのとおり走ることができないことが多くなるが、その週に設定されている練習内容を一つでも実施するような感じでやっていくと、いろんな種類の練習をこなすことができるので非常に参考になるサイトだと思う。
ASICSストアでの足形計測サービス
その名前そのもの、足形を計測してくれるサービス。実際の自分の脚のサイズだけでなくオーバー/アンダープロネーションの区分まで計測してくれる。私もこの計測サービスにより自分の脚のサイズ+1cmを基準にしてシューズを選択するようになった。いろんな人の意見を聞くと、つま先に2cmぐらいの余裕がある方が良いとか、曖昧な情報に振り回されることになるが、こうやって実測データがあると惑わされることなくシューズを選ぶことができる。
今回、勝田マラソン向けにレース用シューズを購入に行った時も(アシックスストアではない)、TARTHERZEAL 2狙い撃ちだったのだが、+1cmの26.5cmサイズを試着した時、少々甲のあたりがきついかなという感じがしたが足の前半分に余裕がありすぎても良くないという店員のアドバイスも有り、計測サービスのデータを尊重して26.5cmを購入。もちろん、店頭でフィッティングは確認しているが、実際に練習、勝田マラソンと利用してみてきつくもなくゆる過ぎでもなくジャストフィットと言った具合で、ターサーシリーズの名に恥じない素晴らしいシューズで、以降お気に入りのレース用シューズとなった。
ちなみに、シューレース(靴紐)の結び方としては、まず座った状態で踵でトントンと2,3回床を叩くような感じで踵をピッタリ合わせた後、つま先側は2つ穴ぐらいまでは緩めにしておいて、それ以降をぴったりフィットするように締める、というのが定石らしいです。
計測サービスで取得した私のデータを参考までに掲載しておきます。
脚の痛み / 腸脛靭帯炎(IlioTibial Band Syndrome)
私もやってしまったオーバーユース(使いすぎ、無理のし過ぎ)が原因の”ランナーズニー。別名:腸脛靱帯炎”。「ちょうけいじんたいえん」と読む。治療方法はひたすら休むだけという、特効薬が無い?スポーツ障害だ。走りたくても走ったらいけない、ランニング好きにとってこれほど辛いことはない。この障害の詳しい内容や治療方法はネットで検索するとたくさん見つかるが、とりあえず参考としてZAMSTのサイトのリンクを張っておく。
[腸脛靱帯炎] 腸脛靱帯炎はオーバーユース症候群であり、「使いすぎ」が原因です
ちなみに、私がMRI診断を受けた時の結果を載せておきます。
みなさん、膝の痛みを感じたら無理せずに、勇気を出してしっかり休養しましょう!
いよいよ、勝田全国マラソンの当日レポートです。