久しぶりのPC自作(2024年5月)

久しぶりのPC自作(2024年5月)

Microsoft Flight Simulatorの快適動作を目指して

ゲームをしない私ではあるが、Microsoft Flight Simulatorがすごいという記事を見て、突然「これやってみたい」となって、グラボを積んだデスクトップPCなら問題ないだろうと、容易な気持ちで中古のデスクトップPCを購入したのが2021年の夏。コンパクトで見た目もよさそうだったレノボのC530をヤフオクで購入した。いざとなればMini-ITXのマザボやATX電源の換装できそうなのもよかった(実際にはバックパネル部の加工が難しそうで換装は現実的ではないPCだった)。ロジクールのX56 HOTASスロットル&コントローラも購入して準備万端だったのだが、さすがにGTX 1050Tiでは快適動作にほど遠く、フルHDで何とか遊べるぐらいの感じだった。その後、ネットで調べてみるとRTX3070クラスだと何とか4K(20fps程度だが)でのプレイが可能なことがわかり、このPCに3070クラスのグラボを搭載することを検討したのだが、最長でも260mm程度のグラボしか実装できない。しかも2スロットサイズまでに限定されることもあり、そのようなグラボがなかなか見つからない。

久しぶりのデスクトップPCとなったLenobo REGION C530。電源オンでアクリルの天板部分が赤く光る。コンパクトで見た目よし、だったのだが、いかんせん、3070クラスのグラボが実装できない。

グラボ実装があきらめきれず、ケースのフレームを一部加工したり、並行してグラボを調査したりしていたものの、調べれば調べるほど、CPUはパワー不足、メモリもそれなりに必要ということがわかり、このC530のアップグレードでフライトシミュレーターに対応させることが現実的ではないと判断した。

結局、2021年の冬に思い切ってある程度のスペックを有するデスクトップPCを購入した。YouTubeのレビューで一目ぼれした、ドスパラのCRコラボPC「GALLERIA CRA9C-R49 Crazy Raccoon コラボモデル」だ。ATXケースの大きさが気になったものの、ライティングやケースデザインのカッコよさを優先してしまい、半ば勢いで購入したのが正直なところだ。でも、久しぶりのATXケースはデカかった。

4Kディスプレイが30pまでしか対応していないこともあるが、4k解像度でもカクカクするような動きはなく、満足のいく動作環境が整った。手持ちのメモリを増設して、合計48GBとしたこともあり、webサイトを閲覧するにも、MPEGエンコードするにも相当快適に動作してくれる。やはり、最新のデスクトップPCは強烈だなーと感心するばかりだった。

ただ、どうしても気になってしまうのが本体の大きさだ。ガラスパネルを使っているためガラスが欠けないよう気を付けたり、将来売却するときのために無傷でいられるようにと、本棚の下部分に格納して丁寧に利用したのだが、デカデカとスペースを占有するのがずっと気になっていた。結局この大きさが許容できなくなったことと、RyzenやRTX4070系の最新のパーツも試したくなり、Mini-ITXの小型PC自作に踏み切った。

ガレリア(ドスパラ)のデスクトップPC。Crazy Raccoonは全く知らないし、ファンでもなんでもないのだが、ケースデザインのカッコよさに引かれて購入してしまった。とても、狭小秘密基地に設置できるサイズ感ではない・・・。
普通のATXケースの大きさではあるものの、やはりその大きさのためデスクトップ上に設置して使うことは躊躇してしまう。YouTubeのデスクツアーなどでカッコよく飾ってあるデスクトップPCを見かけることがあるが、ある程度の部屋の広さがないと圧迫感を感じてしまうので注意!逆にこの存在感がゲーマーにはたまらないんだろうけど。(私はゲーマーではない・・・)
こんな感じで4色のライティングが可能。まさにゲーミングPC。本当にケース自体はカッコよいのだが、とにかく大きさが・・・。

4年ぶりのPC自作。しかも初めてのAMD CPU!

久しぶりの自作PCとなっていくのだが、2020年のコロナ禍において、自由に外出ができなくなった事情もあり、当時中学生になったばかりの長男にPCの構造や仕組みを学んでもらうのも良さそうと思い、一緒にPCを自作したことがあるので、それ以来の自作となる。その時は使わずに保管していたMini-ITXケースでの自作だったのだが、今では長男のPCはNZXTのATXケースに換装されており巨大化してしまっている。長男はNZXTのケースが気に入っているようで、小さい自分の部屋に設置しても気にならないようだ。中身はMini-ITXなので、スカスカだけど。

パーツ選定はというと、ガンガンゲームをやるわけでもないし、フレームレートを追求もしないくせに、ゲーミングPC最強CPUの一つでもあるRyzen 7 7800X3Dと、RTX4070クラスを軸としてPCパーツの調査や調達を行った。最終的なパーツリストは後ほど掲載するが、調査の途中でAMD/Ryzenが急激な値上げになったり、SFX電源やMini-ITXマザーが手に入りづらかったりと、パーツをそろえるのにも3か月ほどかかってしまった。ゴールデンウイーク休暇中に自作したかったのだが、全パーツをそろえきれず、翌週以降の土日を使って組み立てた。サポートサイトのQVLを確認してDDR5メモリの購入を行ったりしたので、パーツの愛称問題は全く発生せず、あっけないほど簡単にOSセットアップまで終了することができた。

PCケースのみ、現在では販売されていないものを購入

Mini-ITXで自作することを決めていたので、ケースはもちろんMini-ITX対応になるのだが、なかなか自分が希望するようなケースに出会えない。AmazonやネットのPCショップ、ヤフオク、メルカリなど日々チェックしながら、ヤフーフリマでようやく見つけたのが Phanteks の ES121XT EVOLV SHIFT ITX というケース(リンクは後継機種)。今では販売されておらず、未使用品でもあったことから、なくならないうちに購入。デザインもかっこよくて、ケースの高さが実装パーツによって変更できるという少し変わったケースだ。長めのグラボも実装できるし、高さを拡張すれば水冷CPUクーラーも利用できる。

最終的に、今回利用したパーツは以下の通りとなった。仕様決めからすべてのパーツ調達が完了するまで、約3か月ほどかかってしまった。

No.パーツ品名価格購入先コメント
1マザーボードASUS ROG STRIX B650E-I GAMING WIFI40,384Amazon調査開始時は5万円オーバー。過去には3万円台で販売されていたこともあったことから、価格が下がるまで待って購入した。
2CPUAMD CPU Ryzen 7 7800X3D48,230ヤフオク送料込み。4000円オフクーポン利用。
AMDの突然の値上げにより、5万円程度で買えていたものが、6万円オーバーが当たり前になっていたので、お買い得だったかも。
3CPUクーラーNZXT KRAKEN Elite 240 Black22,780Amazon空冷でもよかったのだが、Amazonで安くなっていたので。
4メモリCrucial PRO CP2K16G56C46U5
16GBX2枚 DDR5-5600
17,457AmazonDOS/V Power Report 2024冬の記事などを参考に選択
5M.2 SSDWestern Digital WD BLACK
M.2 SSD 内蔵 2TB NVMe PCIe Gen4 x4
23,246AmazonDOS/V Power Report 2024冬の記事などを参考に選択
6グラボZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti AMP AIRO
SPIDER-MAN Across the Spider-Verse Bundle
ZT-D40710F-10SMP
119,800Joshin web
ショップ
いいタイミングでお買い得品を見つけた気がする!それにしてもグラボ高すぎ・・・
※スパイダーマンのファンではありません
7電源FSP DAGGER PRO ATX3.0(PCIe5.0) 850W White
SDA2-850 Gen5.W
24,747Amazon電源購入が最も苦労した。
同型の黒をヨドバシで注文したものの、1か月待っても入荷無し。
Amazonで偶然、白の在庫を見つけることができた。黒じゃないけどいいか。
8ケースPhanteks P121 EVOLV SHIFT ITX  シルバー
PH-ES121XT_DGS01
24,000ヤフー
フリマ
送料込み
1000円オフクーポン利用
ケースも選択肢があまりなくて苦労した。
9OSWindows 11 Home 日本語版
パッケージ版
16,568Amazon今や、DSP版を購入する意味がなくなっており・・・
パーツ合計 337,212 
10GALLERIA ゲーミングPCの売却益110,801売却額は12500円。
手数料等を除くと実益は11万・・・
16万円ぐらいで売れるかと期待していたが。
PC自作総額 226,411 
全てのパーツは新規購入品。何年も自作していなかったので、流用可能なパーツが手元にはなかった。

利用中のゲーミングPCは保護ビニールも外していなかったし、メモリも48GB実装し、使用頻度も少なく外装のキズもなかったことから16万~17万円ぐらいの売却を期待していたのだが、ヤフオクでの入札が全く入らない。ウオッチリストは伸びているものの、入札につながらないため、少しづつ落札金額を下げていったところ、12万5000円でようやく落札いただいた。グラボが3070というのが響いたかも知れない。20万以下で新規PCに乗り換えるという夢は達成できなかった。

今回の自作PCのパーツたち。そんなにゲームもしないのに、それなりにぜいたくな構成になっている気がする。AMD CPUと水冷CPUクーラーは初めての利用だ。
Phanteks ES121XT EVOLV SHIFT ITX PCケース。購入前にYouTubeでのレビュー動画(海外が多い。国内ではあまり売れていなかったのかも)もしっかり確認して、特徴を把握して購入。
ケースリア側。拡張スロットは3スロット厚まで対応。
この筐体にすべてのパーツを格納していく・・・。水冷CPUクーラーを利用したので、ひとつ前の写真よりもケースの高さは高くなった。詳細は後ほど。

マザーボードにCPU、メモリ、SSDを装着

それなりに自作PC歴は長いと思っていたのだが、今回が初めてのAMD CPUとなった。

CPUクーラー取付ブラケットを取り外す(左側が取り外した部品)
CPUクーラーに付属のAMDスリーブを取り付ける。向きがあるので注意。そのスリーブにAMDスタンドオフ(ねじが切ってある金具)を取り付ける。
CPUソケットの固定レバーを引き上げカバーを倒すとCPUソケットが現れる。そこにCPUを装着する。三角形マークの位置を確認して、向きを間違えないようにそっと乗せる。
金属カバーをCPUに重なるように倒し、固定レバーをもとの位置に戻すと、プラスチックカバーが自然に外れる。賛否両論!?ありそうなヒートスプレッダーの形状だが、個人的にはインテルの今のCoreシリーズよりも、正方形のCPUのほうがカッコよく見える。これはこれでありかも。
メモリを装着。なるべく高さが低いものを選んだ。光る必要はないが、見た目重視で。
ヒートシンクを外し、M.2 SSDを装着。
ヒートシンクをもとの状態にもどし、SSDの装着が完了。
マザーボード、CPU、メモリ、M.2 SSD実装後。全体的に黒で統一されて、なかなかかっこいいぞ。

マザーボードや電源をケースに実装

ここからは、ミニマムなMini-ITXケースにパーツを実装していく工程になる。ケーブルなどは押し込む感覚だ。ここからの手順は、念のため、ケースに付属のマニュアルに従って実施していく。

ケースのフレームにマザーボードを実装。コンパクトなケースではあるものの、このあたりの作業ではまだまだ苦労することはない。バックプレートがマザーボードと一体化されたことによって、以前よりもケースへのマザーボード取り付けが簡単になった。
ATX、EPS12V等の電源ケーブル、フロントUSBやLED制御ケーブルなどを接続する。
電源を装着。SFXの800Wクラスの電源は品数も少なく、なぜかほとんど在庫がない状況。安定して動作しているとのレビューも多かったFSPのDAGGER/PROのホワイトモデルが即納だったため、こちらを購入。できれば、ブラックカラーが良かったんだけど、まぁ、あまり目立たないところなのでよいかなと。この段階では電源ユニットにまだケーブルは接続しない。

いよいよグラボ!

パフォーマンス優先となると、このタイミングではRTX 4080あたりになるのだが、コストパフォーマンスを考慮するとRTX 4070 / 4070 Super / 4070Ti あたりがターゲットになってくる。Tiクラスが最もバランスが良さそうなのだが、他の4070に比べて価格が若干高めなのが悩ましい。運よく、ちょうどよいタイミングで4070Tiのセール品を見つけることができた。しかも、スパイダーマン仕様だったりする。

ケールを開けるとこんな感じ。バックプレートが交換できるようになっている。が、スパイダーマンのファンでもないので、交換はしない。
ZOTACの特別パッケージ?ということで、スパイダーマン関係の付属品が多数。
グラボ本体。3連ファンの大型グラボはさすがに迫力がある。
バックプレート側。先ほどのスパイダーマン仕様に変更することができるが、このまま利用する。
ケースに実装。グラボは2.5スロット占有。
このケースは324mmまでのグラボ長に対応しているが、カード長 307mm ということでケースフロントはギリギリ。

水冷クーラー、ケースカバーを取り付けて完成

ここから先は、水冷クーラーの取り付け、ケーブル周りの整理、ケースカバーの装着でPC本体が完成する。

水冷ヘッドの向きやチューブの位置取りを確認しながら、ラジエター部を仮置きしてみた。
位置合わせが確認できたところで、水冷ヘッドを取り付け。グリスはヘッドに最初から塗られていたのでそのまま利用し、あえて別のものを塗ったりはしなかった。
ケーブルをケース内に収める。写真ではかなりごちゃごちゃしているが、これでもきれいに整理したつもりだ。冷却的に大丈夫か?という問題もありそうだが、この高密度感がATXケースにはない満足度でもある。ATXケースだとスカスカ状態になってしまう。
反対側の様子。こちらはケーブルがほとんどないため、すっきりしている。
ケーストップ部分のカバー。今回、水冷ヘッドを採用したため、ケースの高さがMaxとなるようなリアカバー(右側)を取り付ける。
PCが完成。フロント側。
こちらはリア側。CPUクーラーを空冷にしておけば、もっと高さを抑えたコンパクトなPCにできたのだが、水冷クーラーを使用したため、少し大きめのMini-ITXケースとなった。これでも、以前のATXケースに比べれば半分以下のサイズ。
ガラスパネルではないため、鮮明には見えないのだが、水冷ヘッドの温度をメッシュパネル越しに確認することができる。
電源をオンにすると、フロントパネルのLEDが光る。色や発光パターンはカスタマイズできる。
机下に設置。以前のATXケースは白色の部分にデカデカと陣取っていたのだが、体積にして約半分、かなりの省スペースぶりだ。おかげでデスクサイドの棚を有効活用できるようになった。

OSインストール&アプリセットアップ

OSはWindows11をクリーンインストール。先述の通り、パーツの愛称問題は全く発生せず、OSもMSフライトシミュレーターも一発で問題なくインストールできた。MSフライトシミュレーターはインストール後のアップデートがかなりあったため、最新化までにだいぶ時間を取ってしまった。その他アプリはほとんど使っていなかったため、必要最小限のものだけ追加でインストールした。その後、修復ディスクとシステムイメージを作成して、PCとしてのセットアップは完了。

体感速度はというと、Webブラウジングなどは爆速で、単にWeb利用やオフィスアプリ利用だけでは非常にもったいないPCなのは言うまでもなく、重たいゲームやエンコード等のための最適なPCに仕上がった。MSフライトシミュレーターについては、32インチの4kディスプレイが60Hzのため、もちろんこれ以上のフレームレートは出せないのだが、常時最大リフレッシュレートでプレイできるようになった。動きの激しいゲームをやるわけでもないし、テレビ映像とも遜色ないフレームレートなので個人的には満足感の高い、快適なPC環境を構築できた。

これで、しばらくの間は、PCを組み直す必要性も無さそうだ。

動作状況

なんの参考にもならないのだが、実際に動かしている画面をキャプチャしてみた。

ディスカバリーフライト(東京)の模様。Afterburnerは130fps表示となっているが、ディスプレイが60Hzのため実際には60fps相当の動画となる。
自宅上空を飛行してみる。有名どころの建築物はリアルに表現されるのだが、さすがに住宅街は道路や川以外は適当な感じだ。今後のバージョンアップでは、Bingマップと連動させていただいて、よりリアルな映像になるのを期待したい。
コックピットからの画像だと、こんな感じでほとんど前が見えない。何か設定が良くないのかなー。
左下に見える東京ゲートブリッジはリアルに再現されている!

MSフライトシミュレーター自体の設定や操作はまだまだ不勉強なところが多いため、宝の持ち腐れとならないよう、これからもコツコツと遊んでいきたい。

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