ロフトにクレーンを設置(2020年5月)

ロフトにクレーンを設置(2020年5月)

必需品ではないけれど・・・

ロフトスペースにデスクができてモニターを設置し、PC利用環境が整った。吹き抜けの一部を使っていることもあり、この空間をさらに活用できないかと考えていたのだが、ロフトの柵にクレーンを取り付けることで、1階とロフトとの間で小物の上下ができれば面白いかもと思い、クレーンを製作を考えた。

クレーンを取り付けるにしても柵にボルトやネジで固定してしまうと後から位置の変更ができなかったり、取り外した後に柵にキズが残ったりするため、取り付け方法も考慮しなければならない。また、普段から目に付く場所となるため、滑車やフックも見た目重視でかっこよいものを選びたい。

取付イメージ。ロフトの内側にクレーンを設置し、上図のようなイメージでリビングにフックを下す。未使用時はロフト側にクレーンのアームやフックを格納できるようにする。

設計

設計は以下の点を考慮した。今回は、それほど精密な設計が求められるわけでもないため、高さや位置関係の確認を中心に行い、ほとんどは現物を組み合わせながら加工を進めた。

  • ロフトの柵にクレーンを固定する構成とすること
  • 柵に固定したとしても、固定部品を緩めることで柵の左右方向に移動できること。不要時には取り外せること。
  • 万が一、滑車やフックが1階のリビングに落ちないように、未使用時は滑車やフックをロフト側に格納できること。アームの出し入れが容易にできること。
  • 狭いロフトスペースで邪魔にならないこと

設計が固まったところで、材料の調達へ。

設計図。ロフトの柵への取付方法は上図とは全く異なってしまった。アームの飛び出し具合や、フックをどの程度まで下げたいかなど、位置関係を把握する。(クリックで拡大)

使った材料(滑車を探す)

設計がおよそ固まったのが2019年3月。同じタイミングでホームセンター巡りしてかっこよさそうな滑車を探していたのだが、ホームセンターで販売されている滑車は、メタル感バリバリで(鉄やステンレスなど)、大きさも小さいものばかりで存在感に少し乏しい。5mm径ぐらいのひもを使うようなタイプだ。

ネット通販で探しているうちに、船舶用にはなるのだが鉄と木を組み合わせて作られていて、いい雰囲気の滑車があることが分かった。しかし、本物の船舶用ということだけあってサイズも160mmとか230mmとかサイズが少し大きく、室内で利用するには目立ちすぎる。

「船舶」というキーワードが使えることがわかったので、ヤフオク探し続けたところ100mmの少し小ぶりなサイズの滑車とフック、ロープ、他のセット品がが出品されていた。「新品」としての出品ではあるものの、少し使用感がありそうで「この出品者から購入しても問題ないだろうか」と信頼感が心配になった。また、スタート価格は6000円(送料込み)となかなかの値段になっている。

船舶用の本物の滑車を使ったことがないため購入判断に迷うのだが、新品だと1つ1万円、2万円するみたいだし、ヤフオクで中古を探しても今回の出品のように100mm程度の小さめのものが見当たらない。滑車とフック、ロープがセットになっており、程よいサイズ感であることから、ヤフオクで入札、運よく6000円で落札することができた。もちろん、商品もきちんと届いたし、商品もきれいだった。送料込みなので意外とお得だった。

木材については、クレーンのメインの支柱に丸棒を使い、アームには以前実家に帰省した時に海岸で拾ってきた流木(いい感じのものがあったので)を使う構成で設計していた。しかしながら、ホームセンターでホワイトアッシュの30mm径丸棒を購入する段階になって、ロフト内側に飛び出している構造がどうしても気になってしまい、この設計を取りやめ。その場で「ロフトの柵を挟み込むように取り付ける」設計に変更。単にクレーンの支柱が突っ立ているだけなので、樹種にはこだわらずにSPF材を購入した。取り付けに必要となるボルトやボルトを隠すための中空の丸棒などを別途追加で購入した。

滑車を含めて主な部品は2019年の4月にはそろえられていたのだが、仕事の関係等でまとまって時間を取りにくい時期が続き、1年以上放置してしまっていた。2020年の5月連休ごろから部品の加工を始めて、組み立てまで一気に進めた。

いつもだったら何度も設計のやり直しを行うのだが、今回は柵の厚みや間隔は過去の設計図を流用できるため加工位置は明確であり、手の込んだ加工を今回は行う必要がないため、更新版の設計図を作らないまま製作に突入した。

部品の加工

今回も加工工程の写真が残っていないのだが、加工が終わって部品として組み立てたところからまとめた。下記の組み立て工程に入る前に、オスモノーマルクリアでの塗装を済ませている。

上側の写真のように部品を加工。それぞれどの部分で利用するものかを、下側に対比させて説明を記載したが、これだけだとわかりづらいかも。
アームを取り付ける部品に加工した穴 (1) のところに、流木アームを挿入してボルトで固定する。斜めに穴を空けるのに苦労して、拡大するときれいな感じには仕上がっていない。(2) にシーブを取り付ける。アームの先端 (3) に滑車を取り付ける。アームがずれ動かないように、ロープを張った。
こちら側から見ると、(1) のところで斜めに開けた穴がきれいに加工されていないのが目立った。もう一度同じようにSPF材を加工するのももったいないし、斜め穴加工がうまくいくかはわからない。そこで、隙間を見えないようにするために、0.5mm程度の薄い板を斜め穴にフィットするようにカッターで加工して貼り付けた。もともとデザインされていたかのようになったかな・・・。
クレーン支柱にフラッシュ蝶番2つを使って固定。飛び出しているアームにぶつかるところまで約90度ちょっと回転できる。
別角度から
ヤフオクで購入した滑車、フック、ロープ等。前の写真のシーブも別の部品と一緒にセットになっていた。ロープもきれいだったためそのまま利用した。船舶用の実物だけあって、ずしりと重い。こんなのが上から落ちてきたら大変。安全性の確保は最優先で。

ロフトでの組み立て

ある程度、部品が組み上がったので、ロフトにもっていって柵に取り付ける。

クレーン支柱を仮固定してみる。支柱本体と固定用の板でロフトの柵を挟み込み、ボルトと丸ナットで固定する。
取付精度も問題なさそうなためボルトをいったん外した後、ボルトが見えないように中空の丸棒をはめ込む。丸棒が支柱本体と固定用の両方の板に少し食い込むようにフォスナービットで加工している。
クレーン取付完了。上下2か所でボルト留め。ボルトにプラスティックのノブを取り付けて手回しができるようにした。ロープ専用のリール自作も考えたが、途中での停止状態を維持するための機構を作りこむのが難しくて、写真のように巻いてひっかける構造にした。
格納状態。フック・籠を柵より下まで下すことで完全に格納(安全な状態)できる。この写真は完全に格納が終わっていない。利用時は、90度回転させて吹き抜け側にアームを向ける。
仮に滑車のフックが外れたとしても(外れることはないと思うが)、滑車が落ちないようにロープで結んでおく(赤矢印)。
着古したダッフルコートを処分するときにとっておいたボタンを飾りとして取り付けた。あっているかどうか・・・。
風見鶏じゃないけど、一番上に、いとこのおじさんからいただいた木の飾り物を両面テープで取り付けた。

あらためて利用シーン

アームを回転させたときの写真がなかったため、別の日に撮りなおした。

アームを吹き抜け側に回転させたところ。
反対側から見た様子。このままロープを手で操作しながら、籠を上下へ動かす。これは、一番上まで上げた状態。
利用していないときはアームをロフト側へ格納して、フックと籠を柵より低い位置まで下げておく。格納完了の状態。さらに万が一のことも考えて、支柱部分もロープをくるりと一周させて固定した。

製作費用は

今回は高価な木材は利用しなかったので、滑車一式の費用が目立つだけだ。ボルトや丸ナット、その他小物の費用はかかっているのだが、大きなウエイトをしめていないので、掲載していない。

材料用途数量価格(合計)購入方法コメント
滑車、フック等クレーンの主要パーツ一式6,000ヤフオク滑車、フック、ロープ、シーブなど一式そろっている状態で購入。送料込み
SPF材支柱・他一式500近所のホームセンター
合計6,500

普段はあまり邪魔にならなくて、見た目もその場の雰囲気に合っているクレーンが完成できたのではと思う。「もうちょっと左寄りかな」とか思った時に、位置が微調整できるのもよかった。ロープを巻き付けるのが面倒かなと思っていたが、単にグルブル巻くだけなので手間もかからなかった。使用していると滑車からの下のロープが捻じれてくるため、たまにロープを全部伸ばしてねじれをほどいてあげる必要があるぐらいだ。

それほど利用頻度は無いのだが、ときどき1階にいる家族からお菓子をもらったりしたりしている。道具というよりは、秘密基地の飾りとしても面白いものができたかな。

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