狭いスペースを最大限に活用するための設計に苦戦
狭小住宅の一角(玄関の横:階段下のわずか1畳にも満たないスペース)で木工作業を行っているが、収納スペースがほとんどないため普段使わない道具や材料などは屋外に退避できないかと以前から考えていた。しかしながら物置倉庫を設置するような庭やスペースが我が家にはない。唯一の可能性として残った車庫内のすみっこに、床から天井までぴったりに設置できる収納庫を製作した。
コンセプト
どんな感じの収納庫にすれば車の出し入れや車のドアの開け閉め時に気にならないか、モノの出し入れがしやすいかをランニング中にも考えながら、実現したい内容をコンセプトとしてまとめた。不思議と、深く考えたいこと(仕事もDIYも)はランニング中にいろいろとひらめきが出てくることが多い。
- 収納庫のドアの開き方を工夫して、駐車状態でも収納庫から物を出し入れがしやすい扉構成にする
- 収納庫内の棚板は、ある程度自由に高さ(位置)を調整できるようにする
- 収納庫の存在を気にすることなく、車庫の床(コンクリート)を水で洗い流しできるようにする(水分で木が腐らないようにしたい)
- 超狭い花壇のガーデニング材料(土などの残り)も収納できるようにする
- 設置場所にあるコンセントや電源レール、近くの窓などを避けながら最大限のサイズにする
- 車庫とはいえ、住居の外になるためカギをつけたい
こんなことを考えながら、いつものように設計にずいぶんと時間がかかってしまった。Visioでデザインを始めたのが2020年3月頃で、設計が固まったのが2021年10月、製作着手が11月。途中、仕事などで十分時間が取れない時期もあったとはいえ、設計確定までに時間がかかりすぎる。工務店や家具工房だったら早々と店じまいになってしまうよね。思い切りが足りないのか、よく考えていると言うべきなのか、、、。
設計
以下が完成した設計図。どんな材料(木材)を使って収納庫の骨格を構成するのか悩んだが、強度と上げ底式の構成、コストを考えるとSPF 2×4を主体に設計にした。OSB合板などをうまく組み合わせる方法もあったのだか、棚柱を取り付けるための壁の厚さや、底上げに利用するアジャスターボルトの取付強度などを考慮すると、2×4材程度の厚みが必要と考えた結果でもある。
使った主な材料
メインの構造材としては、SPFの2×4とべニア板を利用した。扉部分の枠は1×2と1×3を組み合わせて、その他は自宅に残っていたMDF化粧板を活用した。
収納庫の棚柱にはLAMP アルミ製面付棚柱を利用、底上げ部分には業務用厨房などで利用されているアジャスターボルトを利用した。扉の鍵などは製作工程で紹介する。
製作工程
途中、いきなり工程が進んでいるところもあるが、写真を使って順にまとめてみた。
完成
完成後の様子。
製作費用
今回の製作費用をまとめた。コーススレッドや塗料、サンドペーパーなどは消耗品扱いにして含めていない。
材料 |
用途 |
数量 |
価格(円) |
購入方法 |
コメント |
SPF 2×4 (2440mm) |
収納庫の側板 |
6 |
4,272 |
ホームセンター コーナン |
ホームセンターでのカット料金は160円(別途) |
SPF 2×2 (2440mm) |
収納庫の側板 |
2 |
2,376 |
2×4と組み合わせて利用 |
SPF 1×4 (1820mm) |
収納庫の扉 |
1 |
932 |
1本にしては高すぎる気が。レシート見ても間違いないし、、、。 |
SPF 1×3 (1820mm) |
収納庫の扉 |
1 |
382 |
|
SPF 1×2 (1820mm) |
収納庫の扉 |
4 |
1,308 |
|
コンパネ |
収納庫の背面板、天板部分 |
1 |
1,738 |
|
L型金具 |
扉の強度補強 |
6 |
814 |
ホームセンター ホームズ |
|
ラワン合板 600*450 |
棚板 |
6 |
3,532 |
内寸に合わせてカット |
フラッシュ蝶番 |
観音扉の取付 |
6 |
1,191 |
2サイズ併用 |
ハイロジック ポールハンドル |
扉の取っ手 |
2 |
992 |
ヨドバシドットコム |
|
アルミ棚柱 |
棚板固定用 |
4 |
4,000 |
金森金物店 |
棚受(640円)、送料(1600円)を含む |
アジャスターボルト |
収納庫の固定用 |
4 |
3,494 |
モノタロウ |
送料(500円)を含む |
LAMP マグネットキャッチ |
観音扉用 |
1 |
806 |
Amazon |
|
ソールハード 倉庫錠 |
観音扉用 |
1 |
2,193 |
|
合計 |
|
|
28,030 |
|
|
うーん、DIYの恐ろしさを改めて実感した。構想・設計段階から熟考を重ねてコストはかなり意識して最終選択・購入してきたつもりなのに、こうやって合計金額を算出してみると案外費用が掛かっていることにびっくり。PCと一緒で自作よりメーカー製を購入したほうが安い時代かも。ただ、既製品では自分が思っているようなサイズ、スペース、利用方法にフィットするようなものが存在しないため、中長期目線で考えれば、これもやむなしといったところか。それなりにきれいに仕上がったし。
製作途中で近所のおじさん、おばさんが「今度は何を作っているの?」とか、実際に駐車場に運び込んだ後を見に来てくれたりと、日曜大工はコミュニケーションのツールにもなり得る。小さい収納庫だけに、早々と中は収納物で埋め尽くされている。
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