古くなったWHSをTrueNAS SCALEマシンとして再生:TrueNAS SCALEセットアップ編(2023年3月)

古くなったWHSをTrueNAS SCALEマシンとして再生:TrueNAS SCALEセットアップ編(2023年3月)

WebUIからNASに関するすべての設定が可能

今回は、TrueNAS SCALEのインストールとセットアップをまとめてみた。事前テストでもインストール/セットアップを行っているが、下記の画面キャプチャはTrueNAS SCALEの利用に目途が立ち、初期セットアップをやり直した時のものである。ストレージプールは2TB*4発の構成でスタートした。

TrueNAS SCALEのインストール

これは、本当に簡単にできる。大まかな手順としては、

  • TrueNASの公式サイトから、安定版のisoファイルをダウンロードする。私がセットアップしたときは、TrueNAS-SCALE-22.12.1だった。
  • 上記isoイメージをUSBメモリに書き込む
  • インストールするx86マシン(ここでは、H342改)の起動順位をUSBメモリに変更して、起動
  • 後は、手順に従ってTrueNAS SCALEをインストール

インストールが完了したら、設定されたIPアドレスに対してhttp接続を行えば、WebUIを利用したNASセットアップが実行可能となる。私の環境では、DHCPでH342改のIPアドレスが設定されてしまうため、スタティックIPアドレスに設定変更している。

WebUIを利用したTrueNAS SCALEのセットアップ

実際に画面イメージを見てもらったほうがわかりやすいので、事前説明はカットで。

※ TrueNAS SCALEの画面キャプチャは、すべてクリックで拡大表示されます。

インストール後にTrueNAS SCALEにログインすると、このようなダッシュボードが表示される。フリーのNAS OSとは思えない洗練度だ。この時点では、まだストレージプールを作成していないため、ストレージには何も表示されない。
言語、キーボード、タイムゾーンなどを設定する。キーボード設定だが、設定直後は日本語キーボードが利用できるのだが、ログアウト/再ログイン後には設定したはずの日本語キーボードが機能せず、USキー配列として認識されてしまう。別の日本語キーボード設定に変更すると、再び日本語キーボードが問題なく使えるようになる。Japanse(jp)で設定していた時はJapanese(OADG 109A)に変更する、逆もしかりで、なんとか日本語キーボードが利用できている。OSの/etc/vconsole.confでキーマップを設定してもNGで、唯一解決できていない不満点・・・。どなたか教えてください!
環境設定完了後の状態。
ネットワーク設定。WebUIでの設定前に、OS側で設定しているため、この画面からIPアドレスが設定できるのかは試していない。
WebUIからアップデートを確認・インストールできるようだ。この時点ではアップデートがなかった。
こちらは、初期セットアップのまとめとは関係ないのだが、2023年4月末時点でアップデートを確認すると、上記のようにエラーが発生してしまう。海外のコミュニティでも上記エラーが発生するというポストが多数あり、iX systems側での問題のような感じがしている。しばらく様子見。
いよいよストレージプールを作成。左側の「利用可能なディスク」に実装しているHDDが表示されるため、これらを選択して右側の「Data VDevs」へ移動する。Raid-z(シングルパリティ相当)を選択すると、利用可能な記憶域容量を自動計算し表示してくれる。2TB*4発では、5.45TBがユーザ利用可能な領域となる。もちろん、Raid-2z(ダブルパリティ相当)も利用可能。
ストレージプール作成後のStorage Dashboard。
ブートドライブのIntel SSD 510(120GB)とストレージプール用HDD(2TB)*4台が認識されている。
作成したストレージプールにDatasetsを作成する。ここで作成した「データセット名」がNASに接続したときに共有フォルダとして表示される。ちなみに、このとき日本語での設定はNGなのだが後から名前を日本語へ変更できた。削除するときも同じデータセット名をフルパスで入力しないと削除できなくなっており、うっかり削除にならないように考慮されている。
Share設定のWindows (SMB) Shares設定で、先ほど作成したデータセットをシェアリング設定として追加する。右上の「Add」をクリックすると追加可能なPathが表示されるため、そのPathを選択・設定すればok。
ストレージ、共有フォルダの利用環境が整ったので、利用ユーザを登録する。ユーザ個人のフォルダは当該ユーザのみがアクセスできるようにACLを設定しておく。adminはすべてのフォルダへアクセス可能。
ユーザ設定後、グループも設定しておく。データセットごとに、このユーザ/グループ登録情報を使ってアクセスコントロールを行う。

少しセットアップ順序に迷うところがあるが、基本的に左側のメニューに従って上から順に設定してリソースを作成し、最後にCredentials(ユーザ/グループ登録)を行えばよさそうだ。

セットアップ完了後

一通りセットアップが完了した後、再びダッシュボードを確認。

セットアップ完了後のダッシュボード。ストレージは全く利用していないため、使用率0%。メモリは16GB実装しているが、Free領域が10GB程度確保できている。
レポート出力も充実しており、CPU/ディスク/メモリ/ネットワーク/ZFS等、様々なリソース情報をリアルタイムに確認できる。

何度も繰り返しにはなるが、フリーのNASでここまでできるなんて素晴らしいの一言に尽きる。まだまだTrueNAS SCALEの仕様を把握しきれておらず設定も追い込めていないため、この後設定する外部ディスクへのバックアップなどはASUSTORのNASに機能的に劣る部分があるかもだが、TrueNAS SCALEでNASを構築してよかったし、久々に自作を楽しめた。

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