狭い三角コーナー専用のハンガーラックの製作(2019年3月)

狭い三角コーナー専用のハンガーラックの製作(2019年3月)

この場所を何とかうまく使いたい

過去記事でも触れている通り、我が家は狭小住宅のためそれぞれの部屋は広くはない。広くはないものの子供二人分、それぞれのスペースを与えることができおり、自分が学生の時のことを考えると、とても贅沢な環境だなと思ったりしている。長女・長男それぞれに約4.5畳ほどのマイルームだ。

下図のように、約9畳ほどの細長い部屋をほぼ中間地点(赤線のところ)で仕切って、左側が長女、右側が長男という割り当てで利用している。この部屋には収納が一切ないため、クローゼット、ハンガーラックなどを後から設置しなければいけない。長女は、すぐにでも収納が欲しいということでIKEAの既製品を購入したが、長男はこだわりがないようで「作ってくれるんだったら待つよ」というスタンス。

何を設置するにも四角形ではないために工夫が必要なのだが、隅っこのスペースをクローゼット代わりに使いたいため、今回もまた様々に検討を重ねた。

右端の斜線部分のエリアをクローゼットスペースとして活用する。赤矢印のように、衣類をどちらの方向から出し入れするのかで全体の大きさが変わってくる。

設計

コーナー部分の一番狭いところの一辺が約350mmのため、このサイズを基準に棚構成を考え。このスペースの制約から、下記のような検討で進めた。

  • 衣類収納のために、ハンガーやジャケットのサイズを確認したところ、奥行500mmは必要
  • 衣類の上部に棚板がないと、衣類が埃だらけになってしまう。
  • 最初の図の(A)のような方向から衣類を出し入れすると、350mm幅のクローゼットとなり、衣類の出し入れは容易だが、収納力が全然足りない
  • (B)のような方向で出し入れする構成にすると、収納力は増えそうだが、コーナーの奥の部分が有効活用できない恐れがある(結局、奥行350mmの影響を受けて衣類を収納できない恐れ)。

結局、(B)案をベースに、衣類を収納するスペースと他の小物類を収納するスペースの棚板サイズを変更することで、床から天井まで空間全体を利用可能な収納エリアとして設計を進めた。検討の結果、下記のようなスペースの使い方が最も効率よさそうと考えた。

衣類収納部分の棚板(衣類の上側に位置する)が最も大きなサイズとなるのだが、これを上図の青枠のような形で設計する。衣類は、赤線のような方向で収納する。

確定した設計図がこちら。クローゼットと呼べるほど大層なものでもないため、以降「ハンガーラック」と呼ぶことにする。

下側には、3段構成で衣類ケースなどを収納できる棚空間を設けた。上側はブラケットを使い、ほぼ無制限に棚板の位置を自由に設置できるようにした。ハンガーをかけるための専用ブラケットもあるのだが、このスペースへのフィッティングが良くないため(専用ブラケットの奥行きがありすぎるため)、自作で棚板直下にハンガーをかけられるような構成にした。

使った材料

過去の製作でも利用したホワイトアッシュの美しさと、ゴム集成材のコストパフォーマンスから、これらの樹種の組み合わせで本体部分を製作した。近所のホームセンターでは販売されていない樹種のため、今回も(ほぼ私の製作はこのショップのみ)マルトクショップの通販を利用した。棚板は枚数もそれなりに多いため、コスト削減のためにシナベニヤを利用した。「ベニヤ」となっているが表面はシナが張り合わせてあるため、仕上げ処理をきれいに行えばベニヤ感はそれほど気にすることはない。

ブラケットは、ウッドワンの棚柱+フツウノ(2サイズ、合計4つ)を利用した。ブラケットの先端が跳ね上がっているタイプだと、ブラケットより広い棚板を取付できないことや、この製品はブラケットとしても比較的スリムで邪魔にならなさそうなことから、この製品を利用した。棚柱が外に飛び出すと見た目もよくないため、柱に埋め込む工法にした。

製作工程

製作工程が飛んでるところもあるのだが、写真を使いながらまとめてみた。写真は残していないのだが、塗装はオスモのノーマルクリアで仕上げている。

ハンガーラックの骨格となる50*60*2380mmのホワイトアッシュ無垢板。無垢板の性質上仕方ないことなのだが、微妙に反っている。壁へのフィッティングを確認して利用する方向を決めた。端っこ50mmをカットして天井とのツッパリ部品を製作する。詳細は後程。
ハンガーラック骨格部分の部品加工。左のようにボール盤+フォスナービットで大まかに加工し、最後にノミで仕上げると右側のようになる。トリマーで地道に削る方法もあるが、今のところ、このやり方が一番安全で楽な作業だと考えている。
ハンガーラック本体の下側の部品が完成。
こちらもハンガーラック本体の下側の部品の一つで、ゴム集成材を乗せる部分になる。丸くなっているほぞの凹部分は、見えない部分でもあるため問題ない。
ハンガーラックの上側で左右連結するためのバーを加工する。板断面が小さいため、作業台に固定し、ドリルスタンドを扱いやすくして穴を空ける。
穴あけ加工後
イラストがきれいではないが、ちょうど青の部分がハンガーラック縦の角材になって、インサート方式の丸ナットを使い固定する。
ブラケットの棚柱を埋め込む溝を掘り、仮合わせしてみた。表面から棚柱が飛び出さないような構成。
下側の部分
こちらは天井に近いほう(上側)
2本ともはめ込んでみた。まだ、ハンガーラックの骨格としては完成していないため、この後、いったん棚柱は取り外して、部品が完成後にネジ留めする。
骨格を組み合わせた状態で設置場所の床・壁に合わせてみる。家の床と壁の角度はジャスト90度ではないため、ボンドが乾かないうちに微修正しながら角度決めを行う。ボンドで固定された後、この場所から動かして最後に見えない部分を木ネジで固定する。
床と壁にピタッとくっつける感じで部品を固定する。壁や床との隙間を生じさせないようにすることだけに気を配る。
天井と突っ張る部品。棚柱部分を50mm長にカットして、全ネジボルトを取り付け。
天井に接する部分はポリエチレンフォームを緩衝材として利用。天井を傷めないように。
棚柱と天井との間で突っ張りあって固定するための蝶ナットを取り付け。この状態で棚柱先端に空けた穴に落とし込む。
棚柱先端部分(矢印のところ)には、先ほどのボルトを落とし込める穴を加工しているためこのように天井との突っ張り構造にすることができる。この写真は仮組の状態。
下側の部分はこのように5段階で棚板の高さ調整が可能。
設計図に従い、両サイドの外側が900mになるような間隔で設置。
上側に連結のための板を固定。ちょっと前に記載したインサートタイプの丸ナットで固定する。
ゴム集成材を下側からジョイントコネクタで固定した。剛性もばっちり。組み立て後に矢印方向に移動させて壁との隙間を少し確保するような位置で設置場所を決める。その後、天井との突っ張り固定も行う。

完成

完成後の様子。収納状態もついでに!

下側。矢印の棚板は高さ調節ができる。
上側。柱脚金具にセットできる位置であれば、どの位置でも固定可能。
ハンガーをかけるポールの部分。両端は固定しているが、中央寄りの2つは固定していないため、左右にスライドできる。このような構成にすることで、板厚の薄い天板がたわむことなく棚板として機能するとともに、かつ下にある衣類のカバー役も果たすことができる。
上から見るとこんな感じ。
全景。高さ2400mmあるためすべてが入りきっていないが、このような設置・使い方を想定している。
実際の使用状況。上段はプラモデル製作後の空き箱や未製作のプラモデルが収納されている。ハンガーラックは想像以上に衣類を収納できるキャパシティがありそうだ。

製作費用

今回の製作費用をまとめた。木ネジ、丸ナット、ジョイントコネクタ、塗料は含まれていない。

材料用途数量価格(円)購入方法コメント
ホワイトアッシュ無垢材ハンガーラックの骨格一式17,400マルトクショップ(通販)
ゴム集成材下部の棚板と上部の連結部分一式3,820マルトクショップ(通販)
1,080上記の送料
棚柱・ブラケット棚板、ハンガー掛け一式13,414ウッドワン(通販)
合計35,714

上記の費用以外にもハンガーをかける部分に利用したステンレスの900mmパイプなどもあるため、プラス2000円程度はコストがかかっていると思う。はっきり言えば、既製品をネット通販などで探して購入したほうが安いと思う。ただ、このスペースにぴったり合うような変形サイズのものは見つけられないと思うし、高さ方向をフルに有効活用できるようなハンガーラックもなかなか見つからないのではと思う(ツッパリタイプは多数あると思うが)。

長男も気に入ってくれたみたいだし、上から下までびっしり収納できるスペースになって目的達成、というところですかね。

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