ワークベンチ(2014年12月)

ワークベンチ(2014年12月)

構想・設計に悩み迷い、ようやく完成

 いきなり完成写真から。今回はこれを製作しました。

 木工作業がだんだん本格的になりいろいろな加工方法に取り組むようになると、ワークベンチ(作業台)があれば、作業がどんなに楽でしかも効率よく作業できるんだろうな!と思うようになる。今でもたまにベランダで作業するときに折りたたみ式の作業台を利用するが、安定性も悪いし作業テーブル部分も狭いので仕上がり時の精度を追求するような作業では利用しなくなった。夏は暑くて木工作業をなかなかする気にならないので秋冬が木工シーズン!?になるのだが、冬は寒いためベランダで作業をあまりやりたくないという理由もあってこの作業台の登場回数は減っている。

 屋内での木工作業時に活躍しているのがIKEAで購入した踏み台だ。これをもっぱら作業台代わりに利用しているのだが、高さも低いし作業テーブルとしてもかなり小さいため、作業性が良くないばかりか数時間作業しただけで腰が痛くなる。木工作業した日の夕方のランニングは相当腰が痛くて辛い。

 「いつかは作業台」と思って設計を始めたのが2012年の1月。途中、いろんな要件追加や変更が度々発生して設計を確定できずにズルズルと時は流れ、ようやく2013年の12月(年末休みから)になって製作作業に着手となった。

確かホームセンターで3000円ぐらいで購入した。ベランダ作業専用。だいぶガタがきていて安定性も悪いため、今では屋外でサンドペーパーがけを行うときと、切断作業の時にしか利用しなくなった。
IKEAで2000円もしなかったような記憶が。もちろん、作業台として購入したわけではないが、作業時にすぐに運べるのと屋内保管もできることもあり、最近の木工はこれを作業台代わりに利用することが多い。学習机もこれで加工作業を行っている。しかし高さが低いこともあり、作業後は相当腰が痛くなる。

設計が確定するまでの迷い道

 これまでに検討してきた図面ファイルの日付を確認すると、設計確定まで2年間かかっている。何をそんなに悩んで迷っていたのかをまとめてみた。

  1. 作業台の下側にツールなどを収納するキャビネットを付けるか、付けないか
  2. 作業台自体の材料として重厚なタモやゴム材を利用するか、安価に済ませるため2×4材で済ませるか
  3. 大きさをどの程度にするか。小さくぎても不便だし、大きすぎると作業台を置く場所に苦労する
  4. 天板をスライドさせたり、折りたたんだりする機構を盛り込むことで作業台のサイズを可変式にできないか
  5. トリマーやルーターを利用するため、トリマースタンドまたはルータースタンド兼用に出来ないか
  6. 作業台を移動させるためにはキャスターが必要だが、作業時には動かないように床にベタ置きにするための機構をどう実現するか
  7. 収納部分の引出しにスライドレールを使うか、使わないか。スライドレールを使うとレール自身で重量がかさんでしまう
  8. 収納部分の引出しのサイズ設定。特に高さ部分を何mmにするか。作業台の高さは830-850mm程度を想定
  9. バイスは絶対付けたい。専用の木工バイスを取り付けるか、パイプクランプをバイス代わりに利用するか
  10. 天板の取り付け方。天板を外枠で囲むようにするか、天板をフレームに載せるだけにするか
  11. 作業台自体の形。一般的?な机のように立方体に近い形にするか、ヨーロピアンワークベンチのようなスタイルにするか
  12. 作業台自体を組み立て式にするか、固定式にするか
  13. 作業台のフレーム部分になる材料の大きさ(断面)をどのようなサイズにするか。強度は大丈夫か

などなど、細かい部分も入れると、上記に書ききれないほど悩みが発生してはループ状態に陥り、描いたVisioの設計ファイルも62個ほどになってしまった。途中でタモやゴムの集成材を利用した時のコストなども計算したが高コストになってしまうため、最終的にはコスト優先で2×4材を利用した設計で無理やり確定させた。どうせ作業台だし、利用しているうちにキズも付いてくるので2×4材でよしとした。2×4をベースとした設計になるため、89*38mmの材料を組み合わせた設計となっている(一部で2×3なども利用している)。

確定した設計図

 最終的には以下の様な設計となった。記入している数値など細かくて見えないと思うが、雰囲気だけでも。

 先ほどの悩んだ部分がすべて実現出来ているわけではないが、主な特徴としては以下の様な感じになる。

  • 天板は取り外し可能となっていて、天板を外せばルータテーブルトップを載せることができる。
  • キャビネットは高さ30mmと50mmの2種類をそれぞれ3段ずつ確保。引出しも超簡易な構成。
  • 電動工具などの重量物を格納するためのスペースを一番下に確保。ルータが入るぐらいの高さにしている。
  • キャスター部分は90度回転できるようになっていて、作業するときはキャスターを格納して作業台を床にベタ置きできる。
  • バイスはパイプクランプで実現。500mm長のパイプを利用しているため、開き幅は300mm程度まで対応。
  • ルータテーブルトップを利用しない時は、ワークベンチサイドに立てかけられる。倒れないようにベルトで固定。
  • 組み立て式。天板部分、脚部分、その他に分解できる。
  • 大きさは屋内利用を考慮し天板を900*450mmに設定。キャビネットは600*450mmのMDFやベニヤを活用できるサイズに設定。

 製作途中の写真に上記の特徴に対するコメントも盛り込みながら、製作工程をまとめてみた。

脚部の製作

 まずは脚部の製作から着手した。

脚の部分。天板のフレーム(幕板に相当)を載せる部分と下側のフレームを固定する部分(これも幕板?)を取り付けるために両端を加工する。まずソーガイドで38mm、反対側を10mmの深さまでカットする。38mmはちょうど2×4、2×3材の厚みになる。
縦引きで切断すれば良いのだが、縦引き鋸を持っていないし、手間がかかりあまり好きな作業ではないのでボール盤+フォスナービットでひたすら深さ38mmの穴を開けていく。特に端の部分は欠けやすい、割れやすいので注意する。
先の写真で残っていた突起部分をノミで綺麗にさらう。
試しに別の2×4材を天板フレーム代わりにあててみて、上面の並行度合いが確保出来ているか確認する。もし、上に載せたフレーム部分が出っ張るようであれば、ノミで少しずつ削って調整する。
脚部を組み立ててしまった後にボルト固定用の縦穴を開けるのは相当難しいため、脚部組み立て前に予め穴を開けておく。M8ボルトを利用するため、9mmのドリルビットで穴を開ける。1mm程度の遊びをわざとつくる。
上の写真のように同じ厚さの板2枚で挟み込んで加工することで、断面が小さい木材でもドリルスタンドを使ってこのようにほぼ直角に穴を開けることができる。
ボルトと固定するためのナットを取り付ける部分の長穴を加工する。丸ナットを利用するともっと加工が簡単になるが締め付け時の力が面ではなく点となって集中してしまうため、きつく締めすぎると木材が割れてしまう可能性がある。そんな心配があったので普通の角ナットで固定できるよう方式にした。これもボール盤+ドリルビットで複数の穴を連続させて加工した。
加工後の様子。この穴にボルトを通す。脚部の縦方向の木材と横方向の木材はホゾ加工での接合がベストなんだろうけど、労力も時間もかかるので今回は包打附け接ぎ(というらしい)での接合にしている。
左右の脚のサイズが同じになるように重ねてクランプで固定する。1mm、2mmの誤差が発生するのであれば、左右両方で同じ誤差を発生させた方が左右の形が揃って、最終的には安定性が得られるという素人考えだ。接着材はいつものタイトボンド3を利用した。
脚部が組み上がる。右側は裏返すと、左側のように角ナットをはめ込む部分が現れる。ワークベンチの外側部分がプレーンな方になる。奥側が天板側になり89mm、手前側が底側になり63mmの切り欠きとなっている。

天板を載せるフレーム部分の製作

 加工時間の短縮や楽に作業できることを求めて単純に打附け接ぎにすることも考えていたのだが、完成後に利用しているうちに縦横のフレーム部分がずれてきたり強度が足りなくなったりするのではというのが心配だったので、ここはちょっと頑張って両端を三枚組接ぎ、真ん中をホゾ接ぎとした。

三枚組接ぎとするために、まず鋸で加工出来る範囲をカットする。
次に普通にいけばノミでザクザク掘っていくのだが、所有しているノミがホームセンターで購入した安物でもあり切れないことと、楽をするためにギリギリのところをボール盤+ドリルビットで連続して穴を開けて切り取る。
ノミがぶれないようにあて木を使って位置を固定しながらノミで最後の仕上げを行う。ノミで削る量も少なくなっているのでだいぶ楽に作業ができる。
このように三枚組接ぎの凹側が完成。左右2ヶ所ずつあるので、合計4箇所の加工となる。
凸部分の加工。先ほど加工した凹部分の現物と合わせて墨線をチェックしておく。縦引き鋸では無いけど、縦引きを頑張る。横挽き鋸で縦引きしているので切れが悪く、それなりに疲れる作業。
不要な部分を鋸でカットすれば凸部分が完成。板の厚みがそれほどなくてソーガイドが利用しづらい場合は、写真のように2枚重ねたりすると作業性が良くなる。
真ん中部分はホゾ接ぎにしたので、特に凹側の加工は頑張らなければいけない。これも三枚組接ぎのときと同じように、まずはボール盤を使ってある程度ザクザクと穴あけ加工する。
その後、ノミを使って周囲を綺麗に揃える。ノミが切れない。ノミ、カンナはホームセンターで買ってはダメだというのを何処かのサイトで見たことがあるが、1本1万円近くする本格的なノミだったらもっとスムーズに切れるのかなー。
仮組みしてみる。(1)と(2)にはめるフレーム部分の長さは設計上450mmなのだが、脚部製作時に1,2mm程度の誤差が発生している可能性がある。そのため、現物合わせを行い設計状態の450mmからのズレがどの程度発生しているかを確認する。今回はぴったり組接ぎをはめ込んだ状態で問題なかった(ズレはなかった)。
今度は天板フレーム部分だけで仮組みしてみる。床にベタ置きしてみて、その上に乗ってみてグラグラ揺れたり捩れが発生したりしないかを確認する。仮組みなので問題無いことを確認したらまたバラバラにする。この時点ではまだ接着剤での接合は行わない。

バイス用パイプクランプの取り付け部分の加工

 このワークベンチのバイスは専用の木工用バイスではなくて、パイプクランプをバイスとして利用することにした。木工用バイスだと開き幅が狭かったり、ジョーのサイズが小さかったりするし、コストも小型の安いものでも1万円程度かかってしまう。また、何よりパイプクランプであれば、作業台から取り外すことで普通の”クランプ”としても利用できる。ただ、後から考えるとパイプ(ガス管)まで含めた費用計算ではさほど差がなくなっていたので、それほどコストメリットはなかった。残念。
(最後に掲載している”製作コスト”のところで確認できる)

今回利用したパイプクランプは3/4インチサイズなので、直径は約27.2mm。なので28mmのフォスナービットで貫通穴を開ければいいやと思い、28mmのフォスナービットを探すがどこにも売っていない。ドリルビットもなぜか27mmと29mmはあるのに28mmがない。なんで??
仕方ないので神沢のX.Bitなるものを購入し28mmの穴を開けた。このX.Bit、穴あけサイズを22mmから30mmまで自由に設定できるすぐれものなのだが、お値段が4000円弱。想定外の出費になった。
28mmの貫通穴は最初に組み立てた脚部と天板フレームの左右両方部分、合計8カ所に開けた。これで作業台の左右どちら側でもパイプクランプの取り付けを変更することでバイスの位置を変更できるためだ。ま、左右どちらでものような使い方はしないだろうけど、一度組み立てしまうと穴あけができなくなってしまうので最初から将来の拡張を見据えた加工を行っている。これも念のため仮組みしてパイプがスムーズにかつ緩すぎない状態で取り付けられるかを確認しておく。

その他の加工

 接着剤で組み立てた後に難しい方向での穴あけやカットが発生してしまうと大変なので、予め必要な部分の作業をガンガン済ませておく。

こちらはキャビネットの上側部分になり、ちょっとした物置になるところのフレーム(貫)部分。長さは600mm。
その他ジョイント・コネクター等で固定する部分の穴を加工。コネクターやボルト/ナットの頭が隠れるように。

天板フレーム部分の組み立て(固定)

 天板を載せるフレーム部分と脚部は長さ150mmのM8ボルトで固定することになるが、天板フレームと脚が接する部分に隙間がありすぎるとフレームがきしんだり、安定性にかけることになる。先ほど仮組みでサイズ確認は行っているが、再度仮組みして完成後と同様の状態にしてから接着剤、木ネジで天板フレームを完成させる。

天板フレーム部分を床上に置き、その上に脚部をのせて仮組みする。すなわち、ワークベンチがひっくり返っている状態になっている。この状態でがたつきが無いか、脚部と天板フレームに隙間が発生していないか、実際にボルトを通してみて通し穴にズレは無いかなどを確認する。
問題ないことを確認したら、脚部を外して天板フレームを接着剤+木ネジで固定して天板フレームが完成。クランプで固定するときは、大きめの直角定規を使って90度になっているかも確認しながら作業する。

塗装

 作業台なので、塗装いらない??とも途中で思ったが、せっかく綺麗に製作している途中なので、作業台とはいえオスモカラーノーマルクリアで塗装した。ちょっと贅沢かな。ただし、SPF材の部分と引出しの前板・向板部分だけ。MDFボードは塗装していない。組み立ててから塗装だと塗れない部分も発生するため、それぞれのパーツの加工が終わってから最終組立直前に塗装している。

作業台のフレーム(骨格部分)の組み立て

 塗装も終わり、組立後に再度分解して加工するような行程もなくなったことから、いよいよ組み立てを行う。

フレーム部分のみ組み立てた様子。天板はまだ取り付けていない。赤い矢印はボルト固定、青い矢印はジョイント・コネクターで固定している。これらをすべて取り外すと、天板フレーム、脚部、その他貫などに分解できる。たぶん、完成後に分解はすることはなさそうだけど。
作業台の下側部分。すのこ状に見えるのは1×4材で製作した物置き。これもジョイント・コネクターでの固定なので、取り外し、交換ができる。ちょっと重い電動工具などを直接この上に置くことを想定している。両サイドが少し空いているのはキャスターを取り付ける部分。詳細は後ほど。
作業台の端が飛び出さない方。太い丸穴はパイプクランプをセットすることで、バイスとして機能する。ただし、こちら側に通常、バイス機能を持たせることは考えていない。
作業台の端が飛び出す方。こちら側にパイプクランプを常時セットしておいてバイスとして利用する。ちなみに、天板フレーム上面に”ポチッ”となっている部分が見えるが、これは鬼目ナットをねじ込んだ部分。天板はジョイント・コネクターでこの鬼目ナットに固定する。天板は取り外し式になっていて、ルータテーブルトップと載せ替えることでルーターテーブルとしても利用できるようになる。また天板がいたんだ時も交換できる。
横から見た様子。キャビネットの上側部分も取り付けた。このキャビネットの天板に当たる部分も、その後の板の状態次第で交換できるようになっている。なお、天板からキャビネット上側までのスペースがちょっと開き過ぎのような感じにも見えるが、これだけのスペースを確保したのは、ルータテーブルトップを乗せたときにルータがキャビネットと干渉してしまうのを避けるためだ。天板直下で約260mm程度のスペースを確保している。
M8のボルト/ナットを利用することで組み立て/分解が可能となる。ここにはルーターテーブルトップを立てかけたりするので、ボルト頭が飛び出さないように加工している。

バイス部分の製作

 パイプクランプをバイス代わりに利用するのだが、今回利用したパイプクランプはIRWINの”224134 Quick-Grip 3/4-Inch Pipe Clam”というやつで、アメリカ・ダイレクトで購入した。パイプクランプといえば”ポニークランプ”が有名で、国内でもオフ・コーポレイションなどの通販で購入できる。なぜ、ポニーにしなかったかというと、このIRWINのクランプのいいところは、クランプの先端取り付け部分にネジきりがされていなくてもクランプを固定できることだ。そのため、いつでも付けたり外したりが簡単にできるので、ワークベンチを収納するときにクランプが邪魔になる場合はこれを外しておき、ワークベンチを利用するときにクランプを再度取り付けるという利用方法ができるからだ。個人的にもブルーの色合いが気に入っている。

IRWINのクランプとガス管。ガス管は4/3インチ、500mmを利用。国内販売のガス管でもインチ規格がメジャーらしい!?。ガス管は長さ300mmと500mmのどちらを購入するか悩んだ。300mmだと未使用時にワークベンチにすべて格納できる。500mmだとちょっと飛び出してしまう。最終的には開き幅を大きく取れる500mmを購入した。
ワークベンチに仮止めしてみた。バイスとして利用するときのジョーにあたる部分の板(保護板にもなる)がまだ準備できていないため、仮の状態である。取り付けイメージとしてはこんな感じになる。

キャスター部分の取り付け。ちょっとした機構を取り入れた。

これもそれなりに悩んだ部分だ。部屋が広かったり、作業場が固定されて確保できれば問題ないが、そんな立派な住環境ではないため作業台の設置場所が可動であることは必須の条件なので、必然とキャスターを取り付けるか、移動用の台車が必要となる。台車方式はワークベンチがそれなりの重量になってしまうため、台車に乗せたり降ろしたりが現実的に出来ない。で、キャスター方式になるのだが、キャスターだと力作業時にワークベンチが揺れたり動いたりする恐れがある。ストッパーがついていても多少なりグラグラするはずだし、下方向に力をかけるような作業ができない。ワークベンチと床の間にダミーの板を挟んでキャスターを浮かせて利用するというのも考えた。

 結局、ワークベンチを移動させるときはキャスターが出てきて、作業をするときはキャスターが引っ込むようなスマート!?な機構を実現した。キャスターの耐荷重、取り付け高さ、またキャスターを格納するときの必要な空間を考慮してワークベンチの脚の構成も設計している。

写真の長さの短い方の2×4材にキャスターをボルトで固定する。写真では見えないが、ナット側は板の表面から飛び出さないようにボルトの長さを選択するとともに、ナットも埋め込まれるような位置で固定している。クランプで両方の板を固定してから蝶番を2ヶ所取り付ける。
キャスター、蝶番を取付て完成した様子。この状態の時にワークベンチはキャスターを使って動かすことができる。詳細は後ほど。
キャスター部分を開いたところ。約90度ほど動かせばキャスターはワークベンチの中に隠れてしまってワークベンチが床にベタッと乗っかるようになる。詳細は後ほど。
同じものを左右2ヶ所取り付けるので、2つ分製作する。写真左側のように180度開くことができるがここまで開いて利用することはない。右側のように板の表面からナットが飛び出さないように加工、取り付ける。ボルトの長さに注意する。
先ほどの長い方の2×4材側がワークベンチ本体に固定される。ワークベンチ+収納物の重量を支える必要が有るため、大きめのワッシャー(座金)などを利用して固定した。
左右両端に取り付けた状態をワークベンチ底側から見た様子。ワークベンチを上下反転ではなく立てかけた状態で撮影しているため、片方がキャスター部分の自重のため90度ほど動いている。
ワークベンチを移動させるときのキャスター位置イメージ。このようにワークベンチの脚部よりもキャスターが下側に飛び出した状態になることでワークベンチを移動させることができる。
ワークベンチを作業時に固定させるときのキャスター位置イメージ。キャスター部はワークベンチの脚部より上側に隠れてしまうため(格納されるため)、ワークベンチは床にどっしりと設置されることになり、作業中は動かなくなる。
ワークベンチの設置場所を移動させるときはこのようにキャスターが出ている状態になる。作業時以外はこの状態で問題ない。ちなみに赤い丸の部分は斜めにカットする必要はなかったのだが、反対側をカットするときにそのまま成り行きでカットしてしまった。後からこちら側はカットしなくてよかったことに気づく。
ワークベンチで作業するときはキャスタを左右とも内側にちょっと跳ね上げることで、ワークベンチ脚部が床に設置されるようになりワークベンチが安定する。ワークベンチの片側を少し持ち上げて横から足でキャスター部分をちょっと動かすことで、出したり隠したりができる。最初はちょっとコツがいるけど。

キャビネットの製作

 そもそもワークベンチにキャビネットは必要か?で相当悩んで何度も設計変更を行った部分。ワークベンチ下に空間が出来てしまうのがなんとなくもったいなくて、結局キャビネット付きのワークベンチになった。

 引出しには利便性を考慮してフルオープンのスライドレールを利用することも検討した。400mmのフルオープンスライドレールが過去の製作物の計画変更のため5セットほど余っておりこれを活用する案もあったが、スライドレール自体の自重がそれなりにありワークベンチの重量がスライドレールのために重くなることを避けたいことと、キャビネット製作を簡単に済ませたいためスライドレール案は無しとなった。

 いろいろな引出しの構成を考えたが、結局、引出しというよりはトレイのようなものすごく簡単な構成で落ち着いた。ちょっとサボりすぎたかも。

引出し(トレイ)の底板として5.5mmのMDF板を利用することにしたため、側板に約6mmの溝をトリマーで彫り、この溝をレール代わりにする。これを左右2セット分加工する。側板は厚さ18mmのラジアタパイン集成材を利用。上側3段は深さ35mm、下側の3段は深さ55mmまで対応可能。
ワークベンチのキャビネット部分にレールを兼用する側板を取り付ける。側板は脚部に木ネジで固定した。その後、引出しを6個格納する。上側の引出しは上下の空間が5mmほどしかないため、引き出す動作用にセンター部分にフォスナービットで半円状の穴を開けた。ここに指を引っ掛けて引き出す。
このように引出しは前板と向板(奥にあるので見えないが、反対側もまったく同じ構造)のみで側板が無い。トレー感覚で利用する。結果、製作時間も手間も大幅短縮。現実的にこの構造でも引出しから収納物が落ちるようなことは無い。
しかも引出しは前後の方向性が無い構成になっているので、このようにどちら側からでも引出して利用できる。ワークベンチ自体に前後がないような構造だ。

バイス部分の製作(2)

 バイスのジョー部分(保護板)として注文していたタモ集成材が届いたのでバイスを仕上げる。

厚さ30mmのタモ集成材に、パイプクランプが貫通する穴と、1枚のみワークベンチ本体に固定するための穴(9.5mm)を開ける。
1枚はワークベンチ本体に固定する。ジョイント・コネクターの頭が飛び出さないように加工する。
もう一枚をさらに外側から取り付てバイスのジョー部分(保護板)2枚が完成する。バイスっぽくなってきた。
パイプクランプの位置調整を行うことで、バイスの開き幅を調整できる。なお、パイプクランプのハンドルに相当する部分(右端)は取り外すことができる。

ワークベンチ完成!

 完成後の様子を写真とともに。
 

全体。すでにいろいろなものを収納してしまっている状態。右側はルーターテーブルトップを立てかけて、ベルトで固定している。ルーターテーブルトップを利用しない時はこのままでも木工作業ができる。ルーターテーブルトップを載せている部分はこんなに長さ不要なんだけど、他にも何か置いたりするときに活用できるかもと考え、短くカットせずにそのまま利用している。天板の厚さは18mm。
ワークベンチ下側のスペースは電動工具などを格納する。今までは電動工具収納ケースをドリルやトリマー、ルーターごと個別に運んでいたが、収納ケースから出してこの位置にしまっておくことで、ワークベンチ一式を動かせばすべての道具が運べるようになるので便利になる。
キャビネットは上3段が深さ30mm、下3段が深さ50mmの計6段構成。所有している手工具のサイズを測りまくって、できるだけ多数の物を収納できるように深さの設計には気を使った(ギリギリを狙った)。
下側3段を引き出した様子。小さなものも収納されていて効果的に利用できていないのでもっと整理する必要あり。
上側3段を引き出した様子。100円ショップで木製のケースを買ってきて、その上蓋部分を外し、深さ部分を少しカットして工具入れ代わりのトレーとして活用。ドリルビットやその他の小物収納にはちょうどよい深さとなっている。
ワークベンチの反対側。このようにこちら側からも引出しを利用できる。転がるような工具などはないため、このように側板がなくても実用上はまったく問題ない。

いくらかかったのか。製作費用について

 今回の製作費用はいかに。購入時のレシートを確認しながらまとめているが、ボルト/ナットなどの金具類で購入したものの、いくつか利用しなかったものがあるため数百円程度の誤差はありそう。

ワークベンチにかかった費用
材料 用途 数量 価格(合計) 購入方法 コメント
SPF 2×4材 1820mm ワークベンチのフレーム部分。主に脚部、天板フレーム 5 1,490 ドイト 1820mmで単価298円という格安材。ただし、材料は節あり、曲がった物ありで販売されているので、木材を選択するときは注意深く見て、綺麗に揃っているものを購入する。
SPF 2×3材 910mm ワークベンチのフレーム部分。主に脚部の台座部分や横方向の貫に当たる部分等 6 2,088 島忠ホームズ 1820mmを購入してカットすればもっと安価だったのだが、なぜか910mmを購入してしまった。店内のカットコーナーまで運びやすかったというのが理由なんだろうけど、自分でも今もって不思議。ちょっともったいない。
SPF 1×4材 1820mm 一番下側に位置する電動工具収納棚 1 198 ドイト 1820mmで198円と超安価。
ラジアタパイン集成材 18*450*910mm キャビネット部分の側板 1 2,680 ドイト ホームセンターで長さ450mmずつにカットしてもらってキャビネットの左右の側板とする。
ラジアタパイン集成材 18*450*600mm キャビネット部分の引出し前板・向板 1 1,780 ドイト ホームセンターで幅30mmずつにカットしてもらってキャビネットの前板・向板として利用。理想的な多さの板がないときは、集成材をこのようにカットすることで細長い板としても利用できる。
MDFボード 18*450*910mm 天板 1 888 島忠ホームズ 販売されているサイズは「約」の表記であることに注意。幅は450mmだが長さは907mmぐらいしかない。これを長さ900mmにカットしてもらう。また、厚さ15mmのものを購入したつもりだったのだが、バイスを製作するときに実は18mmを購入していることに気づく。慌ててバイス部分の設計を少し変更。危ない危ない。
MDFボード 9*450*600mm キャビネット部分の天板 1 398 島忠ホームズ 表記サイズどおりなのでカットせずにそのまま利用
MDFボード 5.5*450*600mm キャビネット部分の引出し底板 6 1,308 島忠ホームズ 1枚あたり218円。こちらも表記サイズどおりなのでカットせずにそのまま利用
タモ集成材 30*120*450mm バイスのジョー部分(保護板にもなる) 2 1,340 マルトクショップ 送料がかかっているが、別で利用する板と合わせて購入しているので送料分は考慮せず
ハンマーキャスター 420GR75 ワークベンチを動かすためのキャスター 2 1,280 ドイト ストッパー無しタイプ。1個640円
ハンマーキャスター 420GR75 ワークベンチを動かすためのキャスター 2 2,000 ドイト こちらはストッパー有りタイプ。1個1000円。普段、使わない時に動かないようにするためにストッパー付きを2個取り付けたが、ワークベンチは重量もあり簡単には動かないことからストッパーは不要だったかも。
蝶番 キャスター部分を出したり格納したりする機構を実現する部分 2 556 ドイト 1袋2個入りで278円。それを2つ購入し、合計4ヶ所で利用
ガス管(3/4インチ) パイプクランプを利用したバイス部分 2 2,160 ドイト 長さ500mm。単価1080円。意外と高かった。
ナイロンベルト、バックル ルーターテーブルトップ固定用 1式 675 ドイト ベルトの長さは1500mm。バックル等の小物を含めた一式の価格。
極低頭タッピング 引出し底板に前板(向板)を取り付けるときに利用 1 549 ドイト 1箱に入っていた48本、全て利用
M8の長ボルト、ナット、スプリングワッシャー、丸座金等の金具類 ワークベンチ組み立て用 1式 3,597 ドイト 1個あたり5円程度から120円のものまで、単価は安いが数量がかさんでこの値段になってしまった
IRWIN パイプクランプ バイス部分 2 7,309 アメリカ・ダイレクト(個人輸入) パイプクランプの単価は2434円なので2個で4868円。送料が2441円で合計7309円。ガス管が約2000円したことを考慮すると、もう少し頑張ればクイックリリース機能付きの木工用バイスが購入できるではないか。ちょっと微妙な価格だったかも。
工作料 木材のカット料金 合計3回利用 1,360 ドイト、島忠ホームでの合計額
合計 31,656

 ワークベンチ本体は2×4材、2×3材を多用したためそれなりに安価に製作出来ていると思うが、キャスターやガス管、パイプクランプなど機能を充実させるための部分でちょっと費用がかかりすぎてしまった。収納部分などにこだわらずに作業するための「台」に特化すればもっと安価に製作できると思うので、2×4材を活用すれば5000円もかけずにワークベンチを製作することができると思う。

 収納付きにしたことでほとんどの作業にこれ1台で対応できることを考えると、今後の作業効率アップも期待できそうだ。しかも作業後に腰も痛くならないで済むかもね。

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