ちょっと趣を変えて、アウトドア用折りたたみテーブルの製作
いきなりだけど、最近キャンプにはまっている。キャンプといっても日帰りの「デイキャンプ」なんだけど、結構家族もこれが楽しいらしくて、バーベキューしたり川遊びしたりと、デイキャンプの日は一日が充実した日になる。早朝4時か5時頃出発し、河原やキャンプ場に7-8時頃には到着、帰りの渋滞にハマると悲惨なので正午過ぎには撤収という具合だ。で、バーベーキューとかしていると、自作魂に火が付いてしまい、「何か関連するものが作れそうじゃない」となってしまい、今度はアウトドア用として持ち運び可能な折り畳みテーブルを製作してみた。
基本構想
いつものように実現したいことを最初にまとめた。
- もちろん折り畳み式。
- 収納時にもできるだけ各パーツがバラバラにならないようにする。紛失防止や持ち運びやすさを考慮する。
- 折りたたんだ時に、テーブル部分の外枠内に脚部など他のパーツが納まるようにする。
- 持ち運びするので、可能な限り軽量に。
- ベーシック(ハイスタイル)でもロースタイルでも利用できるように2段階の高さ調整機能を持たせる。
- 購入するよりは安価に。
折りたたみの機構をどのような方法で実現するのか、また軽量化のための構造がなかなか難しそうだ。
詳細設計
脚部の折り畳み機構をいくつデザインスケッチをしながら考えた。構想が固まるまではいつもメモ帳を持ち歩いている。ファミレスで家族と食事している時にノートを取り出して思いついたアイデアをメモしたり、自宅にいる時も何かひらめいたらすぐにメモを残して、イメージを具現化していく。今回の設計としては以下のようになった。
天板を折りたたむ方向として、長さが短くなるように折りたたむか、長さはそのままに幅が狭くなるように折りたたむかの2つの案があったが、細長い形になったほうが収納時や車で運ぶときに場所を取らないだろうと安直に考えこのような設計にしている。赤い棒の部分が脚部収納時には幕板(のようなもの)と平行になって天板下部に収納することができる。テーブルとして利用するときには図のように天板の上下を貫く幕板のようになって脚部を固定するパーツとなる。うまく説明できないが、後ほどの完成後の写真を見てもらうと構造がわかりやすいと思う。
設計図をよく見ると、赤丸の部分の寸法設定の起点が左右で同じ位置になっていない。この間違いに気づかないまま製作を進めてしまったため、これが後々悲劇を生むことになる(そんなに大した悲劇ではないのだが・・・)。
材料を調達する
本当はタモなどの硬めの材料を利用して製作したかったのだが、見積ってみると想像以上に価格が高くなってしまった。ホームセンターに売っているSPF材やホワイトウッドを利用してコストを抑えた。また、過去の製作で残っていたラジアタパイン集成材も活用した。ちょうど、幅40mmにカットしたものが残っていたので、これをテーブルの外枠部分に適用することにした。この材料を流用するために、完成後の寸法を半ば決めたようなものだ。
天板については、軽量化のためにできるだけ薄い板を利用した。薄くてある程度広さのある板がなかなか見つからなかったのだが、いつも行くホームセンターに厚さ9mmのノッティパイン集成材が販売されていたので、これを購入した。安く、軽くを目指したキャンプテーブルの製作費用の結果は如何に!
天板の加工、組み立て
購入した厚さ9mmの天板(ノッティパイン集成材)は幅300mm、長さ910mmである。これをこのまま利用すると、天板の周囲をぐるりと取り囲むように取り付けるラジアタパインの自宅在庫板が僅かだが不足してしまう。そこで、ぎりぎりの寸法を追求して設計し、ホームセンターで予めそのサイズとである295mm×870mmにカットしてもらう。
脚部の加工
天板に収納することになる脚部を加工する。
再び、天板の残りの側板を加工する
先ほどカットした天板用側板に脚を取り付ける部分の穴を開ける。ちょっとした作業ミスが発生。
天板の反りを修正
天板の周囲を取り囲む側板の残りの部分をタイトボンドで取り付ける。実際に側板を取り付けてみると天板がかなり反っている。この反りを修正する。
パーツを仮配置してみる
ここまでの工程が終わったところで、全ての部材にオスモカラーのノーマルクリアーを塗装する。学習机シリーズを製作した時と同じ塗料だ。オスモカラーの塗装後、ウエス(古いチノパンの生地)で磨き上げた後、それぞれの部材を仮配置してみる。
残りの加工
なんとなく形が見えてきたところで、残っている部分の加工を進める。
いよいよ実戦デビュー!
お盆休み中のデイキャンプになんとか間に合わせたかったため製作を急いでしまった感はあるが、とりあえず完成できたので実際にデイキャンプで利用してみた。
製作費用
最後に制作費用のまとめ。ネジやダボ、鬼目ナットなどの自宅在庫品や、ホームセンターでのカット工賃は含んでいない。さて、いくらで製作出来たのか。あるいは購入したほうが安かったのか。
材料 | 用途 | 数量 | 価格(合計) | 購入方法 | コメント |
---|---|---|---|---|---|
ノッティパイン | 天板 | 2 | 2,560 | 島忠ホームズ葛西店 | 1枚あたり300*910*9のサイズだが、295*870にカットしてもらった |
ホワイトウッド面取材 | 脚部 | 8 | 1,584 | 島忠ホームズ葛西店 | 長さ1920mmのほうがメートル単価は安いのだが、まっすぐのものが無いため、長さ910mmを購入 |
ハンガーボルト(M6) | 脚を延長するときの連結金具 | 4 | 200 | 島忠ホームズ葛西店 | 2つ入りで100円 |
ワッシャー | 脚部を固定するときのスペーサー代わり | 8 | 128 | 島忠ホームズ葛西店 | 自宅在庫がなかったので購入 |
ナット(25mm)、ボルト(50mm) | 横棒を固定するためのノブ代わり | 2 | 242 | ドイト南砂店 | ナット2個、ボルト2個の合計 |
ナイロンベルト | テーブル収納時の固定用ベルト | 1 | 300 | ドイト南砂店 | 10cmあたり25円。ちょっと長めに120cm購入 |
バックル | 上記、ベルト固定用のプラスチック部品 | 1 | 300 | ドイト南砂店 | 1セット分の価格 |
・ア番(ブラウン) | 天板連結用 | 2 | 356 | ドイト南砂店 | 1袋2個入り。それを2つ購入 |
ブロンズ木ネジ | 蝶番固定用 | 2 | 200 | ドイト南砂店 | 100円で8本入りを2個購入 |
木管(ブナ材) | 取手 | 1 | 228 | ドイト南砂店 | |
ロープ | 取手 | 1 | 150 | ドイト南砂店 | 10cmあたり15円。100cm購入 |
ラジアタパイン材 | 天板の周囲部分 | 長さ1920mm*2本、1500mm*1本。余っていた木材を流用 | |||
ジョイントコネクター、鬼目ナット | 天板と脚の固定用 | 自宅在庫品 | |||
合計 | 6,248 |
これはかなり厳しい。コールマンのキャンプ用テーブルで天板サイズが900*600mmのナチュラルモザイク(TM)リビングテーブル /90でもおそらく5000円前後で購入できてしまう。また、ノーブランドのテーブルだったりすると、ちょっとサイズは小さいが2,980円とかで実際にホームセンターで販売されていた。自宅在庫の木材も流用して可能な限りコストを抑える努力を行ったのだが、市販品を凌駕するような特徴が今回の作品には見当たらないため相当厳しい。単に「自作しました」という自己満足だけでになってしまっており、素直にコールマンのテーブルを購入したほうが良かったかもしれない。ちなみに重量はと言うと実際に測定できていないのだが、そんなに軽いわけでもなく、また重くもなくという感じか。もし、どこかで測定する機会があれば結果を追って更新したいと思う。
と、反省ばかりなのだが、家族からはそれなりに好評だったようで、当テーブルのデビュー戦は無事に終了。実は第2弾の構想も進めており、今回の結果に懲りずにまたまたキャンプ用テーブルを作ろうとしているのであった。でも、写真を見てもらえばわかるように、「手作り」という感じが現れてて雰囲気あるでしょ!!と言い聞かせている。