丸鋸ガイドの製作(2021年12月)

丸鋸ガイドの製作(2021年12月)

もっと早く丸鋸導入すればよかった

木工をされている方なら、かなりの割合で所有していると思われる丸鋸。木工を始めるときに、「丸鋸は指を切断することもあるため、素人は使わないほうが良い」、「騒音がうるさいから、近所と険悪になる」などのネガティブ情報が気になっていたこともあり、これまで鋸+ソーガイドですべての木材カットを行ってきた。

最近、YouTubeでDIY系ビデオを見ているうちに、危険性を正しく認識したうえで丸鋸使ってもいいんじゃね?と思えるようになってきたことと、近所のバイクいじりの音が凄まじく屋内木工&日中時間帯での作業からするとさほど音に神経質になる必要もなさそうな気がして、ついに丸鋸を導入することにした。

利用する以上は、ただ単にカットするだけではなく、正確に直角に、ときには指定の角度でカットできるようにしたいため、丸鋸購入と同タイミングで丸鋸ガイドを製作した。

設計

狭小木工スペースでの利用となるため、普段使わないときの収納も考慮して、ガイドのサイズやカット可能な板のサイズを決めていく。ホームセンターで販売されている木材のうち、よく利用する板の幅は300mm、450mm、600mmなどがあるが、600mm対応のガイドを製作しようとすると丸鋸ガイドのベースが大きくなってしまうし、ガイドレールもかなり長いタイプを準備しないといけない。また板の厚みとしては、2×4の40mm程度はカットしたい。これは問題なくクリアできそうで、丸鋸の仕様上、60mmの厚さまでカットできそうだ。

設計図。幅は450mm、厚さは60mmまでの木材をカットできる。(クリックで拡大)
採用したアルミレール。500mmを2本購入。

製作工程

あまり複雑なものではないのだが、週末の土日を2回ほど使って完成した。

利用する材料。当初は、一番上にあるタモ集成材を利用する予定だったが、治具に使うにはもったいない気がしてきた。他に余っている木材を確認したところ、30mm角で使い道がない集成材が残っていたため、これを60mm幅になるように接合して使うことにした。
モノタロウで購入したレール。ネジ穴は自分で開ける必要がある。
30mm角材を接合して60*30mmの台を作る。ずれないように丁寧にクランプで固定しながら接着する。
こちらが、ようやくそろった材料。(1)ベース9mm厚。(2)ベース15mm厚。(1)と(2)を張り合わせて24mmの厚さにする。今思えば(2)だけでも十分だったかもしれない。(3)はレールを取り付ける土台。これを長短2つにカットする。(4)レール2本、長さは500mm。
土台に穴を加工する。上面に見える合計4つは、レールがずれないように固定するためのもの。側面の3つはカットする木材のサイズをそろえるためのガイドを延長するためのもの。
鬼目ナットを埋め込む。
レールをネジ留めするための穴を加工する。写真内側は丸鋸がスライドして動く部分になるため、皿ネジの頭が飛び出さないように確認しておく。キズは気にする必要はない。
ベースの板を2枚張り合わせ。もしかしたら今後分解したくなる可能性がないともいえないため、木工用ボンドは利用せずビス留めした。今思えば、15mm厚1枚分で強度も確保できていたかもしれない。
レールを取り付ける台とベースをコーススレッドで固定する。
両サイド分のレール台固定が完了。利用中にガイドの部品がずれてはいけないため、複数個所でしっかり固定する。
最初にスコヤを使って赤矢印側のレールを固定した後、丸鋸をレールで挟み込み、滑り具合を確認しながら青矢印側のレールの取付位置を調整していく。シリコーンスプレーをレールにかけて、さらにコピー用紙1枚を挟んでわずかな隙間を確保することで、丸鋸をストレスなくスライドさせることができるレールの位置を最終確定する。
ガイドレールの取付が完了。赤線部分の直角を基準にして、レール2本を固定した。レールが動かないように、さらにレール外側を茶色の木材で固定している。
反対側から見た様子。矢印の鬼目ナットはガイドの幅(450mm)よりも長い木材を同じサイズでカットするためのガイドレールを取り付けるためのもの。
丸鋸を矢印方向に動かして、ガイドレールの台とベースの部分に切り込みを入れる。この切込みが木材カットのラインとなる。
上段が奥側、下段が手前側。この隙間に沿って丸鋸のレールが移動する。
購入した丸鋸。HiKOKIのC6UEY(SNB)。コードレスタイプはリチウムイオン充電池だけで本体が購入できてしまうほど高価なため断念。
サイレントモード(とはいえ煩い)や小型モーター採用などよさげな雰囲気だったため、本機を選択。ネットでの動画レビューでも評価が良かった。
チップソーは、こちらもネット動画を確認して「SK11 くろプラス」を購入。より精密なカットができるように刃数90を購入。評判通り、切れ味もいいし、切断面も美しい。

製作費用

丸鋸ガイド利用時の場面が紹介できていないが、きれいに90度でのカットができるし、何より、複数の木材を狂いなく楽にカットできることが素晴らしい。ガイドを作業台上に引っ張り出してクランプで固定して、集塵ホースを接続してという作業が毎回発生するのが面倒ではあるが、一度この切れ味・正確性を知ってしまうと病みつきになる。

最後に、このガイド製作にいくらかかったのか。

材料 用途 数量 価格(円) 購入方法 コメント
ラワン合板(15mm) ベース 1 1,518 ホームセンター
ホームズ
600*450mm
ラワン合板(9mm) ベース 1 767 600*450mm
アルミレール(500mm) 丸鋸ガイドのレール 2 2,724 モノタロウ 送料500円含む
合計     5,009    

上記以外にも鬼目ナットやコネクタボルト、コーススレッド、シリコンスプレー、在庫の木材(購入時点でのコスト)など、記載していないコストがかかっている。工夫すればあと少しだけコスト削減できたかもしれないけど、木材をケチってしまったばかりに、ベースが反ったりしては治具としての機能を果たさないため、これぐらいがちょうどよいところではないかと考えている。

木材カットの精度がはるかに上がったことで、さらに木工が楽しくなりそうだ。

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